研究課題/領域番号 |
23720120
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
青山 英正 明星大学, 人文学部, 准教授 (10513814)
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キーワード | 近世文学 / 出版 / 国学 / 近世京都 |
研究概要 |
恵比須屋市右衛門の出版活動に関しては、昨年度に発表した『恵比須屋市右衛門出版・売弘書目稿』に未収録の書籍2点が新たに判明し、データに追加した。また、三井秀堅『小児日足草』が施印本の医学書を『小児養育可賀美』の改題本であることを九大本奥書から明らかにし、恵比須屋の出版活動の一側面に新たな光を当てることが出来た。 また、城戸千楯の文学活動に関しては、千楯の奥書・識語を持つ写本の複写を国文学研究資料館や国会図書館、新潟大学、小浜市図書館、蓬左文庫等で入手した。また、豊橋市美術博物館にて、『紙魚室自撰長歌集』の写本を閲覧、撮影した。 おおむね千楯・恵比須屋市右衛門関係の資料には目を通し、同時期の他の学者の日記などから千楯に関する記述も拾い出して、千楯の年譜を作成しつつあるが、その過程で三重県津市の石水博物館に、川喜多石水宛の恵比須屋市右衛門書簡約200通が現存していることがわかった。その解読が今後の重要な課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
石水博物館に、川喜多石水宛の恵比須屋市右衛門書簡約200通が現存していることがわかり、その解読なしには恵比須屋の活動を明らかにしたとは言えないようになった。 新資料の発見は喜ばしいことであるが、ゴールが遠ざかったとも言える。
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今後の研究の推進方策 |
千楯の周辺の人物の日記などから、千楯の事績をより明らかにする。とりわけ、京都の以文会の活動記録には目を通すべきだと考えている。 また、恵比須屋島田家、大路家の人々の資料を調査し、恵比須屋一統の文学・出版活動を明らかにする。 石水博物館所蔵の恵比須屋市右衛門書簡を閲覧、解読する。
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次年度の研究費の使用計画 |
石水博物館の調査が今後必要になることを見越して、その予算を確保するため。 石水博物館調査のための旅費を中心に使用する。
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