研究課題
若手研究(B)
善生太子の説話と、早離・速離兄弟の説話の分析を中心に研究を行った。これらは、平安時代の日本の偽経として存在し、後のお伽草子本地物の淵源となる物語である。これらの物語の主人公は、衆生済度の誓願を立てて命を捨て仏に成る。一方、お伽草子の本地物においては、神仏となる人物の誓願に重点があるとは言いがたく、代わりに、親孝行であることや神仏に祈って生まれた子であることが、聖性の根拠となっている。その変容を論じるとともに、申し子祈願における神仏の夢告を検討した。
人文学