研究課題/領域番号 |
23720134
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
松田 幸子 高崎健康福祉大学, 人間発達学部, 講師 (10575103)
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キーワード | スコットランド / バラッド / パストラル |
研究概要 |
9月と3月に筑波大学付属図書館に資料調査に赴き、当該図書館所蔵のバラッド・オペラ選集The Ballad Opera: A Collection of 171 Original Texts of Musical Play(1974)に基づいて、スコットランド・バラッドを用いたバラッド・オペラの選別を行うとともに、それぞれのバラッドのリスト化を行った。その際、同時期にスコットランドだけではなく、ウェールズ、アイルランドといったブリテン島の周縁についてのバラッド・オペラも制作され、スコットランド・バラッドと混同されていたことが判明した。また、リスト化に基づいて、用いられていたバラッドの異動を調査。分析し、論文「18世紀英国の劇場によるスコットランド・バラッドの包摂と「スコットランド的なるもの」の創出について」『高崎健康福祉大学紀要』第12号(2013)を発表した。ここでは、スコットランド・バラッドが、ロンドンの劇場においては、政治的危険性をはらんだ諷刺のバラッドとしてではなく、素朴で甘美なパストラル空間としてのスコットランド像を形成するのに用いられていることを明らかにした。さらに、この時明らかになったパストラル空間としてのスコットランド像に注目し、1690年代にイングランド・スコットランドのバラッドを収集し、バラッド集Wit and Mirth, or Pills to Purge Melancholy(1698-1720)を出版したThomas D’Urfeyの芝居である、The Injure'd Princessを調査、研究し、オベロン会にて「Un-British Cymbeline: The Injured Princess (1682) におけるパストラルの破綻」(国際文化会館、10月27日)を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の申請時の所属先からの異動によって、筑波大学所蔵の資料である選集The Ballad Opera: A Collection of 171 Original Texts of Musical Play(NY: Garland, 1974)、全28巻に基づく調査が難航したため、本研究の基礎調査であった楽曲のリスト化が遅れ、研究の各行程に約半年程度のずれが生じた。また、当該資料の入手も困難であったため、平成25年3月を目標としていた国際学会での発表がかなわなくなったため。
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今後の研究の推進方策 |
バラッドのリスト化による分析を進めるとともに、夏季休暇時に、前年度を予定していたエジンバラ大学図書館での再調査を行い、研究の精度を高める。 また、その調査に基づいて、前年度末を予定していた国際学会での発表を行う予定である(10月、国際シェイクスピア学会、インド)。
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次年度の研究費の使用計画 |
1)6月までに当該資料の再調査を行い、可能なら全集を限所属大学で購入(\200,000)し、その後平成24年度に行うはずであった、2)8月エジンバラ大学図書館での再調査(旅費等\400,000)、3)学会発表(17世紀英文学会[12月]、Eighteenth-Century Studies[3月])(旅費等\150,000)を行い、未使用額をその経費に充てることとしたい。
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