20世紀イギリスに存在した文化研究、またそれと密接な関連を持って展開していた文化運動の潮流が、現在置かれている状況を明らかにするために、20世紀イギリスを代表する文化研究者であるレイモンド・ウィリアムズと、その後継者の一人であるテリー・イーグルトンとの関係を中心に、英米圏の文化研究の布置状況を解明することを目指した本研究では、新自由主義の進展に伴って困難な状況に追い込まれた文化研究の様相を明らかにすると同時に、そうした状況を打破するための活動を行っているヒラリー・ウェインライトの活動を、イギリス文化研究の良質な部分を受け継ぐ存在として位置づけ直すことに成功した。
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