研究課題/領域番号 |
23720146
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
佐藤 憲一 東京理科大学, 理工学部, 講師 (80548355)
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キーワード | トランスアトランティック / 植民地期アメリカ文学 / アメリカ学術協会 |
研究概要 |
昨年度同様、勤務校多忙のため、当初予定してた国外における資料収集は実現できなかった。しかし、引き続き国内においてアメリカ合衆国の「文化的独立」 に関する一次資料の分析、収集、整理にあたった。これまでに集積した資料の精査が完成しつつあり、最終年度にむけた理論的基礎の構築に寄与できている。なお、British LibraryやLibrary Oof Congressは、今日多くの資料が電子化されているため、国内 においても効率よく資料の収集に参与できたことをここに付記しておく。 合衆国の「文化的独立」に関連する二次資料の収集は、順調にすすんでいる。書籍に関しては、勤務校における架蔵状況が極めて劣悪 なため、設備備品費を活用して本年度も系統的に蒐集した。また、論文に関しては、他機関から複写を取り寄せる手間を省くため、学術文献デ ータベースのアクセス権を購入することで、効率よく調査、収集を進めることができている。 また、「文化的独立」に関する一次資料および二次資料に関しては、19世紀前半までの時期に発掘・調査・分析の範囲を広 げ、当研 究の成果を「アメリカンルネサンス」期の研究に発展的に接ぎ木する環境が整いつつある。具体的には、American LiteratureやAmerica n Literary History, Early American Literatureなどといった当該分野における権威的な学術ジャーナルを網羅的に読破し、関連す る先行研究の収集と選別に継続的に努めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記「研究実績の概要」で説明した通り、研究は概ね順調に進んでいる。しかし、これまでの2年間は理論的基盤の整理につながる資料収集と 分類に多くの時間と労力を費やしたため、論文の執筆や研究発表がままならなかった点は、反省すべきであると認識している。最終年次は長期間現地に滞在し、未発掘の資料を網羅的に収集し、より盤石な理論的基礎の構築につとめたい。
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今後の研究の推進方策 |
当初の2年間で国内における作業はほぼ完了したので、現地(アメリカ合衆国)での資料調査、収集、整理を主要な作業としたい。具体的には、関連資料が膨大に所蔵されているアメリカ学術協会図書館(フィラデルフィア)、ニューヨーク市協会図書館、および、米議会図書館(ワシントンDC)に滞在し、資料収集に励みたい。また、滞在先においては、当該分野の研究者とも意見交換の機会を持ち、当研究課題に対する多角的な視覚を養いたい。さらに、収集した成果を、これまでに分析・総合がすんでいる資料と付き合わせ、3年間の研究の集大成として、「アメリカ合衆国における文化的独立」の諸相について、理論的基盤を構築したい。これら全てのプロセスおよび成果を国内外の学術誌に投稿したり、研究発表をするなどして、広く社会に発信し、当該分野の発展に寄与したいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
以下の4項目を中心に使用してゆきたい: (1)資料調査や学会参加のための旅費 (2)資料収集のための費用(文献複写費、書籍購入費) (3)学術ジャーナルの購読費(含電子ジャーナル) (4)消耗備品の購入費 本年度はとくに(1)の支出が多額になることが見込まれる
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