本研究の目的は、20世紀初頭の英国での自己表象をめぐる過程を、「審美的」文学の文脈(モダニズム)と歴史的文脈(大戦間期)とを接続したうえで、同時期の自伝的テキストの調査、収集、および分析を通じて検証することにある。本研究では、正典とされる作品とともに、非正典とされてきた作品を論じる。それは両者の区分ではなく共通点に注目するからであり、両者をともに論じることで、女たちの自己表象モデルを多角的に捉えることを目指した。とくに英国にとってナショナルな第一次大戦に関連する作品を中心に、ジェンダー/セクシュアリティ理論に基づき考察する。
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