研究課題/領域番号 |
23720155
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
中村 仁紀 大阪医科大学, 医学部, 助教 (30582564)
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キーワード | コールリッジ / 非国教徒 / ユニタリアニズム / リベラリズム |
研究概要 |
平成25年度の研究実績は主に以下の3点である。 (1)大阪医科大学紀要にてDaniel E. Whiteの Early Romanticism and Religious Dissent (2006)の書評を行った。当初の予定していた、18世紀後半のユニテリアンら非国教徒(Dissenters)の言説における政治・宗教思想の系譜を辿ることは研究時間の確保が難しくてできなかったが、この書評を通して、非国教徒系の様々な著述家の「公共圏」の内実や、それが生み出すイギリスの国家的性格としてのリベラリズムの文化的諸相を確認できたという点で、コールリッジ自身が初期に属していたユニタリアニズムのイデオロギーを理解するための土台作りをすることができた。 (2)国内・海外のロマン主義研究者による論集『揺るぎなき信念』の書評を『英文学研究』に寄稿した。 (3)24年度の研究実績の一つであった、コールリッジの『瘰癧論』のconstitution概念についての論考に手を加え、関西コールリッジ研究会にて発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(当初の予定であった)ユニタリアニズム思想とコールリッジのリベラリズムを突き合わせる研究の下準備の段階にとどまった(研究実績の概要の(1)参照)。ただし研究期間を一年延長したことにより、研究遂行上問題はないと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
18世紀後半の非国教徒系組織の党派的性格・成員個々の思想の差異・18世紀中期~19世紀初頭に至る社会的位置づけの変遷等を明らかにした上で、コールリッジの初期のThe Watchman(1796)や政治・宗教講演のテクストに見られるユニテリアにズムの痕跡とそこから飛躍している(しうる)側面を明らかにし、彼のリベラリズムを広範的・包括的に読み解くことを目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の研究活動が予定通りに進まなかったため(研究活動の一年間の延長を申請した)。 図書費(350,000)物品費(50,000)出張旅費(国内10,000/海外150,000) 論文・報告書作成用印刷費(50,000)
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