研究課題/領域番号 |
23720167
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
井上 暁子 北海道大学, スラブ研究センター, GCOE共同研究員 (20599469)
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キーワード | 国際情報交換 / ポーランド / ドイツ / 移動 / 記憶 / 世界文学 / 境界 / 移民 |
研究概要 |
3月、本研究課題を主要テーマとする博士論文を東京大学大学院総合文化研究科(地域文化)に提出し、博士号を取得した(10月)。2011年5月から8月にかけて北海道大学博物館にて行われた、ボーダー・スタディーズ第五期前半展示「言葉は境界を越えて――ロシア・東欧作家の作品と世界」の内容を含めた冊子が今年度出版されるにあたり、担当した展示パネルのテキストに手を加えたものと、作家クシシュトフ・マリア・ザウスキ自身がこの展示のために書き下ろしたテキスト「文学における境界」を翻訳したものを掲載した。4月、デンバーで開催されたABS学会(Association for Borderlands Studies)に参加し、ベルリンで展開するポーランド人の文化活動について報告した。8月から9月と3月、2度にわたって渡欧し、計6名の作家・文学研究者・文芸誌編集者にインタビューを行った。また、録画した画像に字幕をつけるため、8月ワルシャワで協力者と打ち合わせをした。9月には、ドイツ/ポーランド・インスティテュートで開催されたサマーセミナーに参加し、博士論文の一部を発表してドイツ、ポーランド両国の若手研究者と意見交換を行った。3月には、ポーランド学術アカデミーベルリン歴史研究所のコロキアムに招かれ、「ドイツ/ポーランド国境地帯の現代文学」について報告した。ドイツ/ポーランド国境にあるヨーロッパ大学ヴィアドリナの研究者がコメンテーターとして参加し、有意義な学術交流となった。 ・2013年4月12日 ABS学会(アメリカ合衆国)にて報告 ・2013年9月6日 ドイツ/ポーランド・インスティテュート(ドイツ)にて報告 ・2014年3月17日 ポーランド学術アカデミーベルリン歴史研究所(ドイツ)にて報告
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1)作家インタビュー 本年度新たに訪ねた作家を含めると、インタビューした作家の総数は10名となり、内容も良質なものとなった。ただ、データーの量が多く、字幕作成は予定通りのペースで行えていない。 (2)ドイツの大きな研究機関のセミナーやコロキアムで報告する機会を得て、文学・歴史学・政治学・文化人類学の垣根を越えた学術交流ができた。 (3)資料収集は行えたものの、論文を発表するところまでいかなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は本研究課題の最終年に当たる。本研究課題のまとめとして、学術論文雑誌に投稿する。また、グダンスク在住のパヴェウ・ヒュレの翻訳を完成させる。
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