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2014 年度 実績報告書

19世紀フランスの中等教育―規範の変遷と文学の生成

研究課題

研究課題/領域番号 23720173
研究機関日本大学

研究代表者

畠山 達  日本大学, 法学部, 准教授 (10600752)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワードボードレール / 規範 / 仏文学
研究実績の概要

文学作品がどのようにして規範として形成されるか明らかにすることが本研究の目的の一つであった。平成26年度は、ボードレールが規範化された文学をどのように受容し、それがどのような形でボードレールの作品に反映されているか検討することが計画されていたが、このことは前年度に学会発表し、論文を刊行することができた。そのため当初の研究計画に忠実でありつつも、より広い視座で規範化という問題を検討するためにボードレールが文壇に登場した際の規範との関係をさぐること、そしてボードレールがフランスで規範化される前に、日本においてどのように受け入れられ、どのようにして日本のアカデミズムで規範化されたか検討することができた。
平成26年度の12月に岩手大学で行われたシンポジウムにて「いかにして詩人になるか」というテーマでボードレールがどのようにして規範と向き合いながら詩人になる道を選んだか検討した。ここではボードレールが受けた文学教育は当然のこと、当時のジャーナリズムの影響が大きかったこと、そして新しい芸術を提唱したロマン派以降、芸術一般が陥っていた混沌的な状況に対して独自の活路を見出そうとしていたことを明らかにすることができた。ボードレールは美術批評では反規範の流れに身を置きつつも、最終的には新しい規範を創造することを目指していた点に注目できた。
平成26年度の1月には群馬県立土屋文明文学記念館にて日本におけるボードレール受容の変遷について講演を行った。ここではフランスでのボードレール受容の変遷も確認したうえで、日本でボードレールがどのようにして規範化されていったか、日本のアカデミズムの状況と比較しながら山村暮鳥と大手拓次という詩人がどのようにしてボードレールを読み、翻訳したか明らかにすることができた。その結果、日本における文学の近代化と規範化が相互補完的な関係にあったことを論ずることができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 日本におけるボードレール受容―文壇編:山村暮鳥と大手拓次のボードレール訳について―2015

    • 著者名/発表者名
      畠山達
    • 雑誌名

      風

      巻: 18 ページ: 1-20

  • [雑誌論文] Réexaminer Baudelaire et le songe d'Athalie2014

    • 著者名/発表者名
      Toru Hatakeyama
    • 雑誌名

      Modernités

      巻: 37 ページ: 81-94

  • [学会発表] 日本におけるボードレール受容―山村暮鳥、大手拓次にも触れながら2015

    • 著者名/発表者名
      畠山 達
    • 学会等名
      日本におけるボードレール受容―山村暮鳥、大手拓次にも触れながら
    • 発表場所
      群馬県立土屋文明記念館
    • 年月日
      2015-01-25
    • 招待講演
  • [学会発表] いかにして詩人になるか:ボードレールの場合2014

    • 著者名/発表者名
      畠山 達
    • 学会等名
      国際シンポジウム 無名な書き手のエクリチュール
    • 発表場所
      岩手大学
    • 年月日
      2014-12-20 – 2014-12-21

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公開日: 2016-06-01  

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