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2013 年度 実施状況報告書

モンテーニュにおける宗教・哲学思想の変貌―トリエント公会議を背景に―

研究課題

研究課題/領域番号 23720179
研究機関青山学院大学

研究代表者

久保田 剛史  青山学院大学, 文学部, 准教授 (60555382)

キーワード仏文学 / 思想史 / モンテーニュ / トリエント公会議
研究概要

当初、平成25年度の研究活動としては、16世紀後半のフランスにおける人文主義と宗教感情との関連性を明らかにすべく、懐疑主義思想とキリスト教思想との融合について調査・検討する予定であった。ところが、平成24年に行った研究(カトリック陣営によって出版された論争文集の調査)に関して、補足的な調査を行う必要が生じたため、当初予定していた今年度の研究内容を保留するとともに、前年度の内容をさらに掘り下げるかたちで研究を遂行した。補助事業期間の変更(1年度延長)を申請したのは、以上の理由からである。
今年度の具体的な研究活動としては、16世紀後半におけるフランスの宗教的思潮と政治情勢との関連について書かれた二次的文献(論文や研究書)を読み解くことに重点を置いた。これらの二次的文献は、論争文集が出版された思想・社会的背景について理解を深めるうえで必要不可欠である以上、基本的な文献だけでも通読せざるを得なかった。これらの文献のいくつかは、モンテーニュの政治的主張や宗教・哲学的思想についても興味深い考察を行っており、今後の研究に関して重要な示唆を与えてくれた。以上の活動成果については、所属研究機関内の紀要雑誌において、平成26年に発表する所存である。
なお、平成25年度(最終年度)の研究予定として当初に定めていた「16世紀における懐疑主義とキリスト教思想との融合」に関する調査については、平成26年度の研究目標として掲げたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の段階では、16世紀後半における懐疑主義思想とキリスト教思想との関連性について調査・研究を行ったうえで、そのような文化・思想的背景がモンテーニュの宗教・哲学的思想に与えた影響について考察する予定であった。しかし、平成24年度に行った「カトリック陣営の論争文集」の調査をめぐって、文献が書かれた社会的背景やそれらの政治的意図などを把握しておく必要が生じた。そのため、前年度の研究を補足・延長するかたちで、論争文集に関する二次的文献(研究書や論文など)を読み通すことを今年度の課題とした。

今後の研究の推進方策

補助事業期間の変更(1年度延長)とともに、最終年度の研究目標としては当初の予定通り、「16世紀における懐疑主義とキリスト教思想との融合」に関する調査・研究を行いたい。異教思想とキリスト教との調和というテーマは、モンテーニュの宗教・哲学的思想において大きな核をなしているばかりか、トリエント公会議以降のフランス作家にとっても重要な問題である。
さらには、前年年度および前年度の研究成果を公表すべく、所属研究機関内の紀要雑誌において論文を公表する所存である。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度に行った研究調査(トリエント公会議以降のフランス・カトリック論争文集に関する研究)において、資料の検討や分析等に若干の不備が確認された。そのため、次年度(平成25年度)も引き続いてカトリック論争文集の検討・分析を行うことにした。また、平成25年度に予定していた調査については一度保留し、新たな参考文献はあえて購入しなかった。以上の理由で未使用額が発生した。
平成26年度(最終年度)の研究目標としては、平成25年度の研究予定であった16世紀懐疑主義とキリスト教思想との関係について調査を進めたい。懐疑主義に関する参考文献を購入すべく、未使用額はその書籍代に充てたい。

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公開日: 2015-05-28  

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