研究実績の概要 |
【平成26年度における研究成果】 研究最終年度となる本年度は、これまでの研究の成果の一環として、森鴎外論の論集 _Ogai - Mori Rintaro: Begegnungen mit dem japanischen homme de lettres_ (Harrassowitz, 2014) に、森鴎外作品の翻訳と「世界文学」意識についての論文を寄稿した。また、平成27年3月7日には、20世紀前半の日本文学の翻訳をめぐるワークショップを上智大学四谷キャンパスで開催した(上智大学比較文化研究所と共催)。本年度は、このワークショップを含め、本研究に関連した研究発表・講演を3回行った。 また、20世紀前半の日本文学の翻訳書・日本文学の研究書・紹介書籍などを購入した。 【研究期間全体の研究の成果】 国内外の図書館・資料館等において、明治・大正・昭和戦前期の日本近代文学の翻訳書および書評の調査・資料収集を行った。(海外では、アメリカ、ドイツ、イギリス、オランダ、デンマーク等で資料調査を行った。)これらの資料調査を通し、この時代の日本文学の翻訳が当時の北米・ヨーロッパの日本研究の動向と密接に関連していることが明らかとなり、「1930年代のハワイ大学における日本研究と日本文学の翻訳」「明治末期における森鴎外作品の欧米語への翻訳と鴎外の翻訳意識」「グレン・ショーの日本文学翻訳と日本文学紹介」などのテーマに関して研究を深めることが出来た。その成果を論文1本(編著)にまとめた他、ハワイ大学マノア校、ベルリン・フンボルト大学・森鴎外記念館、英国ダラム大学での講演の他、学会、ワークショップ等で口頭発表を行った。さらに、本研究の一環として、20世紀の日本文学の翻訳についてのワークショップを2回企画・開催した。
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