アメリカ初期映画において「ドキュメンタリー」とされるジャンルがいかにしてリアリティを創出し、形成・発展されてきたのかを探る。世紀転換期は異文化に対する異国情緒としての強い関心が窺えると同時に、ナショナリズム、国家意識に対する意識の高まりも示されていた。映画技術を含むテクノロジーの変革期であり、アメリカが国力を増していく只中であり、新旧の価値観が混在する混沌の時代に相当する世紀転換期の中で、20世紀アメリカ大衆文化のエッセンスがどのようにして生成していったのか。同時代の時代思潮・光景を映像表現を用いていかに「記録」することができたのか。その手法とイデオロギーの問題にまつわる考察を試みた。
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