研究課題
本研究は、研究代表者がこれまで行ってきたマンデビ語(Mangdebikha : シナ=チベット語族、チベット=ビルマ語派、ヒマラヤ語支、チベット=キナウリ語群、東チベット諸語、Nyenkha、Henkha、Lap、Mangsdekhaとも称される)の記述研究を継続して行うものである。最終年度は、現地調査及び収集したデータの分析を中心に行った。ブータン渡航時にはゾンカ語開発委員会などブータン国内の関係部署への訪問を行った。現地調査は2013年12月から2014年1月にかけて、ブータン王国トンサ県においておこなった。主たる研究対象であるマンデビ語ツァンカ方言について動詞の統語的振る舞い等の文法調査や自然発話の音声資料を収集した。研究発表は、早稲田大学で開催された第2回ブータン研究会にて「ブムタン県ドゥル村の遊牧民」と題して、オーストラリア国立大学にて開催されたThe 19th Himalayan Languages Symposiumにて「The Brokkat language in Bumthang, Bhutan」と題してそれぞれ報告した。論文としては、マンデビ語の概説論文であるMangde in Bhutan、また著書として『旅の指さし会話帳ブータン(ゾンカ語)』を上梓した。研究期間全体を通して、以下の諸点について研究を遂行した。1.ブータン王国に分布するチベット・ビルマ系諸語の分布と現状を明らかにすべく、基礎的資料の収集を行ない、最新情報に基づく言語分布図を作成する基盤を同国のDzongkha Development Commissionと共同で整備した。2.マンデビ語ツァンカ方言の記述調査を行なった。基本的な文法、基礎語彙及び民話を収集した。3.同系言語であるブムタン語やブロカット語に関して、分布状況・ゾンカ語との接触の現状を把握し、基礎語彙の蒐集を行なった。
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Bhutan Journal of Research and Development
巻: Autumn 2013 ページ: 30-46