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2013 年度 実績報告書

類別詞言語における類別詞および名詞複数形の(不)使用に関する対照言語学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23720199
研究機関東京外国語大学

研究代表者

野元 裕樹  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 講師 (10589245)

キーワード言語学
研究概要

今年度は本研究課題の2つ目の中心的課題に取り組んだ。この課題は、申請時には以下のように設定した。すなわち、類別詞言語の「複数形名詞」(例:日本語の「~たち/ら」、マレー語の重複形名詞)と、数について中立的であるとされる「裸名詞」が、どのように使い分けられるのかを記述し、その背景にある統語的・意味的仕組みを明らかにする。使い分けの一つとして、前者には定性あるいは特定性に関わる意味が伴うことが先行研究で知られている。それに関して、先行研究では定性か特定性かいずれかであるとしているが、本研究ではそのいずれにもなりうるという結論に至った。暫定的な分析としては、これらの意味は複数標識そのものから生じるのではなく、名詞に指示性を持たせる統語範疇(D)と数を担う範疇との間に統語的一致が起こるために生じるとした。しかし、この仮説を指示する経験的事実は十分でないので、今後議論を詰めていく必要がある。また、定性と特定性のいずれにもなるという事実は、Dにこれらの意味を担う意味的演算子を両方想定する、曖昧性による分析をとった。今後、定性と特定性について理論的分析を進めることにより、曖昧性によらず同じ事実が浮かび上がってくるような分析を目指したい。
申請時には当然のものとして前提としていた、2つの名詞形の数による違い、すなわち「裸名詞形」だけが数について中立的であるという前提について、Kaneko (2013)の指摘により、再検討が必要となった。そこで容認性判断実験を行った。その結果、英語などで一般に用いられてきた、名詞句の数に関するテストが日本語ではうまく行かないことが分かり、日本語でも使えるテストの発見という新たな研究テーマが見つかった。これについては継続の研究課題で取り組む。
本研究課題における研究基盤整備として、口語マレー語コーパスのデータ整理、追加も行った。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] On the optionality of grammatical markers: A case study of voice marking in Malay/Indonesian2013

    • 著者名/発表者名
      Nomoto, Hiroki
    • 雑誌名

      NUSA

      巻: 54 ページ: 123-145

    • 査読あり
  • [雑誌論文] マレーシア語の所有表現(データ)2013

    • 著者名/発表者名
      野元裕樹、ウン・シンティ、ファリダ・モハメッド
    • 雑誌名

      語学研究所論集

      巻: 18 ページ: 332-343

  • [学会発表] A compositional analysis of Malay anaphoric expressions2014

    • 著者名/発表者名
      Nomoto, Hiroki
    • 学会等名
      The 18th International Symposium on Malay/Indonesian Linguistics (ISMIL)
    • 発表場所
      イタリア、ナポリ、ナポリ東洋大学
    • 年月日
      20140613-20140615
  • [学会発表] Decomposing Malay anaphoric expressions2014

    • 著者名/発表者名
      Nomoto, Hiroki
    • 学会等名
      The 21st Meeting of the Austronesian Formal Linguistics Association (AFLA)
    • 発表場所
      米国、ハワイ大学マノア校
    • 年月日
      20140523-20140525
  • [学会発表] On the person restriction on the agents in di- passives in Malay2013

    • 著者名/発表者名
      Nomoto, Hiroki and Kartini Abd. Wahab
    • 学会等名
      The 23rd Annual Meeting of the Southeast Asian Linguistics Society (SEALS)
    • 発表場所
      タイ、バンコク、チュラロンコーン大学
    • 年月日
      20130529-20130531
  • [学会発表] Malay plurals and referentiality agreement2013

    • 著者名/発表者名
      Nomoto, Hiroki
    • 学会等名
      The 20th Meeting of the Austronesian Formal Linguistics Association (AFLA)
    • 発表場所
      米国, テキサス大学アーリントン校
    • 年月日
      20130517-20130519
  • [学会発表] マレー語の再帰表現:自分、自身、自分自身

    • 著者名/発表者名
      野元裕樹
    • 学会等名
      東京外国語大学国際日本研究センター『外国語と日本語との対照言語学的研究』第12回研究会
    • 発表場所
      東京外国語大学
  • [学会発表] マレーシア語教育と言語コーパス

    • 著者名/発表者名
      野元裕樹
    • 学会等名
      外国語教育学会 (JAFLE)
    • 発表場所
      東京外国語大学
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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