研究課題/領域番号 |
23720201
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
和嶋 雄一郎 青山学院大学, 情報科学研究センター, 助手 (20572093)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 言語心理学 / 認知科学 / 言語コーパス / 確率判断 |
研究概要 |
本研究では、言語コーパスによる人間の判断が確率的な規則から逸脱する現象の予測システムを構築することを目的とする。本研究で対象とするのは、3つの確率規則からの逸脱現象(連言錯誤、基準比率の無視、Salience Bias)とし、以下の2つのステップでシステムを構築する。平成23年度は、利用する確証度の選定(各現象に対して、大量言語コーパスを用いて確証度を計算する。もっとも人間の意思決定を予測可能な確証度を割り出すため、確証度と心理実験結果を比較しする)と連言錯誤に対する研究を行った。言語コーパスの利用環境の構築では、公開されている言語データ収集し、単語頻度計算のためのデータベースを作成した。収集したデータは、ALAGINフォーラムで公開されているデータ、新聞データ、Blogデータ等である。「連言錯誤」に対する研究では、まず、心理実験を行った。先行研究から、連言錯誤の問題文を抽出し課題とした(英語論文が主なため、その翻訳を行い実験課題とした)。心理実験を行った後、確証度の計算を行った。具体的な手順としては、言語コーパスには上記で構築したデータベースを利用し、抽出単語の頻度を計算した。その頻度情報から確信度を計算し、心理実験の結果と比較した。これらの一連の結果から、Crupi, Tentori & Gonzalez(2007)が提案している確証度Zを言語コーパスデータを利用して計算した値と連言錯誤が起こる割合の間に有意な正の相関が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コーパスのデータベースの構築と、連言錯誤現象についての心理実験、コーパスからの連言錯誤現象の予測ができたため、平成23年度に予定していた内容を予定通りに終了できたといえる。
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今後の研究の推進方策 |
「基準比率の無視」、「Salience Bias」をターゲットとして研究を行っていく。前年度と同様の手順で、心理実験・確証度の計算を行い、言語コーパスによる人間の判断が確率的な規則から逸脱する現象の予測を行っていく。心理実験:先行研究から、「基準比率の無視」、「Salience Bias」の問題文を抽出する。英語論文が主なため、その翻訳を行い、実験課題とする。また、Salience Biasに関しては国勢調査等の最新のデータを用意し、実験課題に用いる。確証度計算:実験で使用した課題から、単語を抽出し、確証度を計算する。言語データには1年目で作成したデータベースに新しいものを加えて利用し、抽出単語の頻度を計算する。さらに、確信度それぞれを計算し、心理実験の結果と比較する。人間の判断が確率的な規則から逸脱する現象の予測システムのためのベースとなる知見を24年度中に明らかにし、最終年度は予測システムを構築をおこなう。23年度は所属機関のワークステーションを利用できたため、予定していたワークステーションを購入せずに研究ができたが、実行時間等の観点から、さらに大きなマシンパワーを持ったワークステーションが必要であることがわかった。購入のための手続きの時間等も考慮し、23年度での購入を見送り次年度に購入することとした。そのため、次年度使用額が生じた。
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次年度の研究費の使用計画 |
データベースサーバと確証度計算のためのワークステーションを購入する予定である。コーパスに関しても、新しいデータ(新聞データ)の購入をおこなう予定である。心理実験を2つ予定しているため、それに伴う謝金の使用を予定している。また、成果発表のための旅費の使用も予定している。
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