本研究では、タイプ理論に基づくマルチモーダル範疇文法や動的統語論の枠組みを用いて、数量詞やN’削除現象などの統語的・意味的現象を説明する基盤的モデルを提案している。具体的には、部分構造論理に交換規則、縮約規則、割増規則などの構造規則と削除規則を追加し、特定のモードで語順の変更や削除を実現している。意味表示も統語的操作とパラレルに構築されて派生される。また、本研究のモデルは入力文に対して解析木と意味表示を出力するシステムとしてPrologを用いて実装された。コンピュータ上に実装されたシステムでは、適用された規則や数量詞のスコープなども出力結果として得ることができる。
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