研究課題/領域番号 |
23720213
|
研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
李 林静 成蹊大学, 法学部, 准教授 (40567418)
|
キーワード | ホジェン語 / ツングース諸語 / テキストコーパス / フィールド調査 / 中国黒龍江省 / 危機言語 / 記述言語学 |
研究概要 |
本研究の目的は、ホジェン語を含むツングース諸語の接触・借用関係を明らかにし、言語接触による言語変化のプロセスの解明に迫るため、資料が少なく解明の遅れている「ホジェン語」について、これまでに出版されたテキスト及び実際にフィールド調査によって得られた「音声データ」「映像データ」に基づき「ホジェン語テキストコーパス」を構築し、それに基づいてホジェン語の文法記述を進めることである。 具体的には、 (1)過去に記録されたアナログビデオテープによる録画映像のデジタル化を行い、過去に記録されたDATによる録音音声や、デジタルビデオテープによる録画映像をコンピュータで処理できるように加工し、音声を抽出してホジェン語テキストの文字化作業を行った。 (2)これまでに出版されたホジェン語テキストを収集し、コンピュータによりテキストを入力して電子データ化を進めた。 (3)平成24年8月-9月に、ホジェン語話者の居住地である中国黒龍江省同江市街津口郷、八岔郷においてフィールド調査を実施した。ホジェン語話者との面接調査では、語彙調査、形態論と統語論にかんする聞き取り調査、複数の話者による会話の録音・録画を行い、新たなホジェン語音声データおよび映像データを収集した。本調査では、合計約22時間分の録音データおよび約6時間の録画データが得られた。また過去に採録したホジェン語テキストの文字化作業を行い、話者の助力を得て確認作業を行った。その一部について形態分析を行い、研究成果として公開した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでのデータを整理、分析し、ホジェン語の非人称形動詞について、2回研究会にて研究発表を行った。本年度現地調査で得られたテキスト資料の聞き起こしをおこない、その一部を研究成果として2013年7月に公開する予定である。残りの部分の形態分析 もほぼ終えた状態にあるが、いくつかの不明な点が残っている。この点については今後の調査において確認してゆきたい。
|
今後の研究の推進方策 |
データベース構築にあたり、過去に記録されたアナログ音声データ・映像データのデジタル化を引き続き実施する。また、これまでに出版されたホジェン語テキストの収集、電子データ化を引き続き行う。さらに、フィールド調査を実施し、新たな音声・映像資料を収集し、過去に採録されたテキスト資料の聞き起こし、確認、形態分析作業を継続して行う。最終年度に向け、成果のまとめ、公開に取り組む予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
1. 物品費 100,000円:言語学・ツングース諸語等に関する文献、消耗品等 2. 旅費 547,580円:中国黒龍江省調査旅費、学会・研究会参加旅費等(うち平成24年度未使用分47,580円) 3. 謝金50,000円:データ電子化業務委嘱、翻訳等 4. その他 50,000円:複写、運搬費等
|