研究概要 |
本研究プロジェクトでは、英語と、文構造が異なる日本語を話すバイリンガル話者の文産出を、心理言語学の観点から研究することで、言語によって共存する構造が限られるという統語分離説と、人間の認知システムの一部としてどのような言語情報も共存されている統語共存説の2つの仮説(ならびにそれらに相当する言語産出に関する仮説)を検証する。平成23年度は、先行研究の再調査と仮説の決定し、絵画描写実験用の刺激文の作成を行った。その後作成した刺激が正しく意味判断されるかどうかを、アンケート調査を通じて調査し、そのデータを元に、心理実験用のプログラムを組み、動作確認を兼ねた予備実験を行った。その結果をもちいて、実験プログラム、提示方法、実験時間の配分等の調整を行い、日本国内において、日本人を対象とした実験を行った。実験実施のほかには、積極的に国内外の学会に参加した。国内では、名古屋大学( 'Sentence production and structural priming: A introductory review', Talk presented at the Cognitive NeuroPsychology Society, Nagoya, Japan, August 2011)や関西学院大学('What is structural priming? ', Talk presented at the KCP conference, Kwansai Gakuin University, Osaka, Japan, November 2011)で研究成果について発表した。さらには、海外の学会(AmLaP 2011, Paris, France) に参加し、最新の研究方法や理論を学ぶと共に、研究者との交流を図り、活発な意見交換を行った。
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