日本語疑問文の史的変化についての言語学的研究

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23720229
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 日本語学
• 研究機関: 福岡大学
• 研究代表者: 衣畑 智秀 福岡大学, 人文学部, 講師 (80551928)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• キーワード: 疑問文 / 間接疑問 / 日本語史 / 琉球語 / 係り結び

研究概要

本研究は、日本語の疑問文がどのように変化し、また、疑問文から変異した構文がどのように発達したかを明らかにすることを目的とするものである。本研究の結果、日本語の直接疑問文については、上代から中世まで助詞や構文によって疑問詞疑問と肯否疑問を区別しようとする変化があることが明らかになった。また、間接疑問文の歴史変化は、一般言語学で想定されている「主観化」という変化に反するものであることが分かった。さらに、係り結びと間接疑問文の関係を調べるため、琉球語宮古方言の記述や疑問文の調査も行った。

研究成果

• [雑誌論文] 日本語疑問文の歴史変化―上代から中世― (2014)
  • 著者名/発表者名: 衣畑 智秀
  • 雑誌名: 日本語文法史研究 巻: 2号 (頁数未定)
• [雑誌論文] 上代から中世の疑問文の様相―データ解釈を中心に― (2014)
  • 著者名/発表者名: 衣畑 智秀
  • 雑誌名: 福岡大学人文論叢 巻: 46巻1号 ページ: 1-39
• [雑誌論文] 琉球語宮古狩俣方言の音韻と文法 (2014)
  • 著者名/発表者名: 衣畑 智秀、林 由華
  • 雑誌名: 琉球の方言 巻: 38号 ページ: 17-49
  • 査読あり
• [雑誌論文] Historical Development from Subjective to Objective Meaning : Evidence from the Japanese Question Particle ka (2012)
  • 著者名/発表者名: KINUHATA Tomohide
  • 雑誌名: Journal of Pragmatics 巻: 44(6-7) ページ: 798-814
  • DOI: 10.1016/j.pragma.2012.03.004
  • 査読あり
• [雑誌論文] Discourse Update and Semantic Composition of Particles : The Case of Nen in Osaka Japanese (2012)
  • 著者名/発表者名: KINUHATA Tomohide and Yurie HARA
  • 雑誌名: Proceedings of Sinn und Bedeutung 巻: 16 ページ: 349-362
  • URL: http://mitwpl.mit.edu/open/sub16/Kinuhata.pdf
• [雑誌論文] 日本語における話者指向性 (2012)
  • 著者名/発表者名: 衣畑 智秀
  • 雑誌名: 福岡大学日本語日本文学 巻: 22号 ページ: 93-104
• [雑誌論文] Osaka Japanese Nen : One-sided Public Belief and Paratactic Association (2011)
  • 著者名/発表者名: HARA Yurie and Tomohide KINUHATA
  • 雑誌名: Sprache und Datenverarbeitung 巻: 35(2) und 36(1) ページ: 49-70
  • 査読あり
• [雑誌論文] ヤラにおける例示用法の成立 (2011)
  • 著者名/発表者名: 岩田 美穂、衣畑 智秀
  • 雑誌名: 日本語文法 巻: 11巻2号 ページ: 60-76
  • 査読あり
• [学会発表] 上代から中世における疑問文の歴史変化 (2014)
  • 著者名/発表者名: 衣畑 智秀
  • 学会等名: 筑紫日本語研究会
  • 発表場所: 九州大学
  • 年月日: 2014-02-15
• [学会発表] 琉球語宮古島方言の終止連体形 (2013)
  • 著者名/発表者名: 衣畑 智秀
  • 学会等名: 福岡大学日本語日本文学会
  • 発表場所: 福岡大学
  • 年月日: 2013-01-12
• [学会発表] 主観的表現から客観的表現への歴史変化―間接疑問文の発達を通して (2012)
  • 著者名/発表者名: 衣畑 智秀
  • 学会等名: 筑紫日本語研究会
  • 発表場所: 九州大学
  • 年月日: 2012-02-18
• [学会発表] Discourse update and paratactic association of particles and intonations (2011)
  • 著者名/発表者名: HARA Yurie and Tomohide KINUHATA
  • 学会等名: Sinn und Bedeutung 16
  • 発表場所: Utrecht University
  • 年月日: 2011-09-07
• [学会発表] Osaka Japanese Nen : One-sided Public Belief and Paratactic Association (2011)
  • 著者名/発表者名: HARA Yurie and Tomohide KINUHATA
  • 学会等名: Workshop on Formal Approaches to Discourse Particles and Modal Adverbs
  • 発表場所: Slovenia
  • 年月日: 2011-08-12
• [備考]
  • URL: http://www.cis.fukuoka-u.ac.jp/~tkinuhata/project/kaken2011/