研究課題/領域番号 |
23720230
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
茂木 俊伸 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (20392540)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 日本語学 / 国語学 / 論文の電子化 / 学術情報の流通 / とりたて / 文献目録 |
研究概要 |
本課題の主たる研究テーマは,[A]日本語研究論文に関する諸情報の電子化の実態把握と分析,[B]電子化された論文情報にアクセスできる文献目録モデルの作成,[C]インターネット上の日本語研究情報の活用法の検討,の3点である。平成23年度は,これら3つすべてのテーマに関して,調査および分析・考察を行った。テーマ[A]に関しては,主として,インターネット上における日本語研究論文の本文情報の公開状況に関する調査を行った。予定していた『国語年鑑』のデータを用いた調査については,2008年版の経年変化調査を行ったが,大きな変動は見られなかった。また,2004年版以前の遡及的調査を開始するためのデータの整備を行った。さらに,関連分野の主要学会誌について,論文データベース等を利用した本文公開の実態調査を行った。テーマ[B][C]に関しては,その理論的基盤を固めるとともに,具体的な事例としての「「とりたて」関連研究文献目録」の構築に取り組んだ。理論的検討に関しては,図書館情報学分野における先行研究の分析および上記[A]の調査に基づいて考察を行い,その成果を論文化した(「電子化された日本語研究論文の流通実態と問題点」『鳴門教育大学情報教育ジャーナル』9号)。文献目録の構築に関しては,主に2000年代の文献情報の収集・整備と現物の入手を進めた。2012年3月には,2010年から2012年のデータに基づいた文献目録の試行版を,インターネット上に公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は,予定していたデータの整備と調査,文献目録の構築をおおむね実施することができた。また,当初予定していた口頭発表ではなく論文形式になったが,研究成果を公表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は,平成23年度に整備したデータに基づき,論文情報の電子化の実態調査を継続して行うとともに,文献目録の整備を進めていく予定である。平成23年度の研究推進にあたって生じた問題としては,本課題が日本語そのものを扱うものではないため,日本語関連の研究会では口頭発表のエントリーが受け入れられにくい,ということがある。このため,平成24年度の成果発表も,口頭発表形式ではなく論文形式で行う方向に切り替えたい。また,『国語年鑑』の遡及的調査に関して,年鑑の電子化データの有無により調査の効率が大きく変わることが判明した。調査の規模・方法の再検討を含め,解決策を考えたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初は旅費の使用を予定していたが,上記の理由により取りやめることとし,論文情報の収集・整備のための物品費およびその他の経費に振り替えて研究を推進する。
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