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2013 年度 実施状況報告書

未調査仮名自筆資料の分析による文字・表記意識の通時的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23720232
研究機関國學院大學

研究代表者

家入 博徳  國學院大學, 文学部, 講師 (20586507)

キーワード仮名 / 文字・表記意識 / 仮名表記史 / 仮名自筆資料 / 定家以降
研究概要

本年度は、前年度に引き続き写真資料を収集するとともに、資料の調査・撮影等を行った(河野美術館)。また、収集した資料を中心にデータベースを作成し、分析を行った。
本年度は研究成果として、まず、平成25年11月に「個人における表記の規則性-冷泉為秀の表記分析-」を論文発表した。本論では、個人において表記の規則性はどの程度意識されていたのであろうかという問いのもと、南北朝期の歌人である冷泉為秀の自筆資料が存在する『詠歌一体』を取り上げ、その表記の様相を分析した。考察を通して、1.仮名遣いは基本的に定家の仮名遣いを遵守している。2.文字選択に関して、漢字に関しては書写年代に関係なく固定的である。一方、異体仮名の選択は、全体としては同じような傾向をしているものの、書写される年代によって選択の変化が見られるものもあるといった傾向が見られた。
次に、平成25年12月に「書論と仮名遣い」を論文発表した。本論では、書論書の中に見られる仮名遣いに着目し、なぜ書論書において仮名遣いを記したのだろうかという問いのもと考察を行った。考察を通して、書論書に記されている仮名遣いは、『下官集』『仮名文字遣』といったものをそのまま引用している。また、能書の家である世尊寺行能の動きに見られるように、能書の家と歌の書写は密接にかかわっており、和歌を書くための知識の一つとして仮名遣いを書論に取り入れたことが考えられた。
以上の研究を踏まえて、次年度は個々の表記の特徴を総合的に考察していきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度も研究に必要な資料の購入収集を行った。また、本年度は河野美術館において調査を行った。さらに、データベースの作成および研究発表も同時進行で進めており、研究は順調に進展している。

今後の研究の推進方策

次年度も本年度同様に必要な資料を収集するとともにデータベースを作成する予定である。さらに、これまでのデータを総合的に分析し、研究成果を発表する予定である。

次年度の研究費の使用計画

調査旅行が延期となり、また、書籍や物品等が予定より安価で購入できたため。
必要な資料の購入を進めるとともに、調査旅行を行う予定である。したがって、書籍、旅費、外部記録装置等の物品を購入することに使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 個人における表記の規則性-冷泉為秀の表記分析-2013

    • 著者名/発表者名
      家入博徳
    • 雑誌名

      國學院雑誌

      巻: 第114巻第11号 ページ: 182-199

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 書論と仮名遣い2013

    • 著者名/発表者名
      家入博徳
    • 雑誌名

      研究と資料

      巻: 第70輯 ページ: 13-19

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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