【本研究の目的、問題意識】 本研究の目的は、「渡来語」の緊急調査とデータベースの構築である。「渡来語」とは16世紀以降に西欧から輸入された外来語のことをいう。各地で受容され土着した「渡来語」は、今日、「伝統的方言語彙」となっている。しかし、記録されぬまま消滅の危機に瀕しており、早急な調査・記述が必要である。他方,データベース化の後,それ(資料)をどのような方法で考察・研究すべきかについて検討する必要がある。 【平成25年度(最終年度)の主な研究成果(3点)】 《1.「渡来語」にかんする全国郵送調査の実施》平成26年3月,全国973のカトリック教会に宛てて調査票(A4判17頁,31項目)を郵送した。平成26年5月1日現在,各地から調査票が返送されてきており,順次,データベース化を進めている。《2.ボリビア多民族国に暮らすキリシタン家族の信仰生活史にかんする論文を発表》キリスト教史を対象とする国内唯一の学会「キリスト教史学会」の機関誌『キリスト教史学』に掲題の内容の論文が掲載された。16世紀以来のキリシタンの子孫である長崎県出身者は,ボリビアに移住した後も,先祖代々受け継いだ「渡来語」を維持していることを明らかにした。《3.Christian<キリスト教信者>にかんする学会発表,Jesus<イエス>にかんする論文発表》ポルトガル語起源の「キリシタン」と英語起源の「クリスチャン」の接触史およびJesusの訳語の変遷について,歴史社会地理言語学の方法を用いて考察,発表した。 【研究期間全体を通じて実施した研究の主な成果(3点)】※当該項目の詳細については,字数制限の都合から,研究成果報告書に記述する。参照されたい。 《1.「渡来語」にかんする全国郵送調査の実施》《2.渡来語の受容史にかんする歴史社会地理言語学的研究の実施》《3.ボリビア多民族国に暮らすキリシタン家族の信仰生活史の記述》
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