研究課題/領域番号 |
23720235
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研究機関 | 鹿児島国際大学 |
研究代表者 |
松尾 弘徳 鹿児島国際大学, 国際文化学部, 講師 (40423579)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 新方言 / 鹿児島県 / 同意要求表現 |
研究概要 |
今年度に実施した研究の成果は、2011年9月と2012年3月の2度にわたる鹿児島県内における方言調査である。 2011年9月の調査では、鹿児島市内のみならず薩摩川内市や枕崎市や霧島市など鹿児島県内のいくつかの地点に足を運び、対面聞き取り調査をおこなった。その結果、総計40名ほどのインフォーマント(被験者)のデータを得た。なお、この調査では九州大学の大学院生に調査協力を仰ぐことで、調査項目の精選やより精緻なデータの収集ができた。これに引き続いておこなった2012年3月の調査では、鹿児島市内在住の老年層の方へ対面聞き取りをした。これによって、老年層のデータの補完ができた。 上記の2回の方言調査の目的は、本研究の中心テーマである「新方言」の確認にある。若い世代に特徴的な鹿児島新方言を明らかにするためには世代間の比較が必要不可欠であり、今年度の調査では幅広い世代の方言データの獲得を目指した。また、鹿児島県内における新方言の実態を探るためには、世代間の相違のみならず地域間の相違も考慮しなければならない。北薩地域から南薩地域まで広範な地点にわたる調査をおこなったのも、そのような意図を持ってのことである。 このような研究をおこなうことで鹿児島県内における方言の変化の様相が明らかにでき、ひいては本邦の日本語学界の方言研究に寄与できるものと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「やや遅れている」と判断した理由は下記の2点による。(1)申請書類に記載した、福岡県方言の調査を進められていないこと。いまのところ、申請者の所属地である鹿児島県方言の調査にとどまっている。(2)学会発表、学術論文の公表など、目に見えるかたちでの成果があまりできていないこと。 次年度以降は、上記のような問題点を改善すべく、研究活動にいっそうの時間を割きたい。
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今後の研究の推進方策 |
前述した今年度の方言調査から得られたデータについては、表計算ソフトExcelを用いて鋭意整理をおこなっている最中である。 次年度中にはこの成果を学術論文や口頭発表のかたちで公表する。たとえば、鹿児島県の新方言のひとつに、同意要求を表す「ダセン」というものがある。これは、「きょうはいい天気ダセン?(=きょうはいい天気だよね?)」「この服いいセン?(=この服いいでしょ?)」といったように用いられるものであるが、これを使用するのは薩摩川内市など一部地域の若年層に限られる。この「ダセン」の分布や用法記述をおこない、その成果を公表予定である。 方言調査で得られたそのほかのデータに関しても日本語学および言語学的分析を加えてゆく予定である。とくに、申請者がこれまで力を注いできた日本語史の知見を生かして、歴史的側面に重点を置いた方言研究をおこなってゆきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は今年度と同じく、人件費と旅費、そして物品購入費に多くを消費する予定である。 方言調査が不可欠な本研究においては、調査地へ赴くための旅費や、研究協力を仰ぐ専門の研究者への謝礼(=人件費)などに多くの研究費を要する。 また、円滑なデータ処理のためには、スキャナやプリンタ、およびパソコンの購入も必要となる。 今後の研究をいっそう推進できるよう、研究費の適切な使用を心がけたい。 なお、今年度予定していた福岡県内の方言調査をおこなえなかったため、当初予算分の旅費を予定通りに消費できなかった。これについては次年度の研究活動の中で方言調査をおこない、旅費の受給を請求したい。
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