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2012 年度 実績報告書

日本語アクセントの平板化に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23720238
研究機関大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所

研究代表者

儀利古 幹雄  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 理論・構造研究系, プロジェクト研究員 (00580028)

キーワード日本語 / アクセント / 平板化 / 平板型アクセント / 複合名詞 / 言語内的要因 / 音韻論 / 社会言語学
研究概要

最終年度は、漢語複合名詞アクセント(例:末広町、運動会)の平板化に焦点を当てて研究を行った。はじめに漢語複合名詞に関する全体的な調査を行った結果、アクセントの平板化を起こしている度合いが著しい語群が観察されたので、それらを特に重点的に調査した。具体的には「~町」「~会」「~祭」といった漢語複合名詞について、そのアクセントが平板化を起こしているかどうか、起こしているとすればその要因はどういったものなのかを調査・分析した。
調査の結果、「~町」「~会」「~祭」という漢語複合名詞のアクセントは、高年層から若年層へと世代が下るにつれて平板化を起こしていることが明らかになった。ただ、これらの語群のアクセントの平板化には、話者の世代という言語外的要因以上に、言語内的要因(言語構造的要因)が大きく影響を及ぼしていることも統計的に明らかになった。具体的に述べると、前部要素(「末広町」の「 末広」、「運動会」の「運動」)が3モーラである場合は4モーラである場合と比較してアクセントの平板化の進行具合が早く、また、2 モーラや5モーラ以上である場合はアクセントの平板化は起こらないが明らかになった。さらに、前部要素の末尾の音節構造が重音節の場合は軽音節の場合と比較して、アクセントの平板化の進行が遅いことも明らかになった。
これらの結果は、アクセントの平板化という言語変化現象は、ただ単に「若者」が引き起こしているのではなく、言語構造そのものにも大きな原因がある、すなわち、アクセントの平板化を起こしやすい語と起こしにくい語がそもそも存在しているということを示唆している。この結果は、アクセントの平板化の原因として言語外的要因のみを重点的に扱ってきた従来の研究に対して一石を投じるも のである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] ̃「会」のアクセントの平板化と言語内的要因2012

    • 著者名/発表者名
      儀利古幹雄
    • 学会等名
      第26回日本音声学会全国大会
    • 発表場所
      大東文化大学
    • 年月日
      20120929-20120930
  • [学会発表] 数詞+助数詞のアクセント―フットによる一般化2012

    • 著者名/発表者名
      儀利古幹雄
    • 学会等名
      音韻論フォーラム 2012(日本音韻論学会全国大会)
    • 発表場所
      東北学院大学
    • 年月日
      20120820-20120822
  • [学会発表] 町名のアクセント:アクセントの平板化と言語内的要因2012

    • 著者名/発表者名
      儀利古幹雄
    • 学会等名
      日本言語学会第144回大会
    • 発表場所
      東京外国語大学
    • 年月日
      20120616-20120617

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公開日: 2014-07-24  

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