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2012 年度 実施状況報告書

近代語コーパスの高度なタグ付けと形態素解析による待遇表現・人称代名詞の計量的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23720242
研究機関大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所

研究代表者

近藤 明日子  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, コーパス開発センター, プロジェクト奨励研究員 (30425722)

キーワード国語学 / 日本語学 / 近代語 / 待遇表現 / 人称代名詞 / コーパス / 形態素解析
研究概要

本研究の目的は、近代語の代表的なコーパスである『太陽コーパス』と『近代女性雑誌コーパス』を用いて、コーパスに既存のXMLタグの情報、および新たにコーパスのXMLタグに付与する言語使用状況に関する情報と、形態素解析によって得られる形態論情報を組み合わせ、近代語の待遇表現・人称代名詞の計量的分析を行い、それらの特徴を明らかにすることである。その達成のため、平成24年度は次の3点を実践した。
1.新たにコーパスのXMLタグに付与する言語使用状況に関する情報のうち、人手の作業が必要なものについて、23年度に引き続き情報付けの作業を行い、完了した。
2.形態素解析したコーパスをデータベースに格納した。
3.コーパスのXMLタグの情報(あらたに付与した情報も含む)の一部と形態素解析によって得られた形態論情報とを利用して、一人称代名詞の計量的分析を行った。まず、形態論情報を利用し『太陽コーパス』『近代女性雑誌コーパス』から一人称代名詞を網羅的に抽出した。次に、一人称代名詞の語形と文章の種類・文末辞種類・著者性別との対応関係や一人称代名詞の使用頻度の通時的変遷について分析した。その結果、次の①~③の点について明らかになった。この分析結果については学会発表をおこなった。
①一人称代名詞の語形と文章の種類との間には密接な対応関係がある。②書き言葉が文語文から口語文へ交替する中途段階において、「吾人」「余」のような文語文に特徴的に出現する一人称代名詞が一時的に書き言葉的性質の強い口語文にも広がって出現する。③雑誌記事の著者性別と記事で使用される文末辞の種類との間には強い対応関係があり、一人称代名詞はその文末辞の種類に対応して出現する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

コーパスのXMLタグへの情報付けの作業補助を依頼した者の一身上の都合により、作業時間が確保できず、代替の作業者の確保も検討したが適任者を得られなかった。このため、作業完了が計画より遅れ25年2月までかかり、付与した情報の全体を利用した分析・研究を今年度行うことができなかった。

今後の研究の推進方策

コーパスのXMLタグへの情報付けの作業が完了したので、この情報全体をデータベースに格納したうえで、形態論情報と組み合わせて一人称代名詞・待遇表現の計量的分析をおこなう。
研究成果は学会で発表し、論文として執筆する準備をおこなう。

次年度の研究費の使用計画

コーパスのXMLタグへの情報付けの作業に遅れた生じていたため、今年度は情報全体を用いた分析・研究ができず、それに伴う経費を使用できなかった。次年度の研究費は、残された分析・研究に必要な物品の購入や学会発表をおこなうための旅費等に充てることとしたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 単語情報付き『太陽コーパス』を用いた一人称代名詞の分析

    • 著者名/発表者名
      近藤明日子
    • 学会等名
      日本語学会2012年度秋期大会
    • 発表場所
      富山大学
  • [学会発表] 近代女性向け雑誌記事における一人称代名詞の分析―形態論情報付き『近代女性雑誌コーパス』を用いて―

    • 著者名/発表者名
      近藤明日子
    • 学会等名
      第3回コーパス日本語学ワークショップ
    • 発表場所
      国立国語研究所

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公開日: 2014-07-24  

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