研究課題/領域番号 |
23720245
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
中西 公子 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 准教授 (30598751)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交流 |
研究概要 |
本研究課題では、英語、日本語、ドイツ語の否定極性表現及び意外性と累加の表現の研究を3年間の計画で行うものである。これらの表現を用いて、「ある言語表現の全体の意味がその表現を構成する部分の意味とどのように関わっているのか」という構成性の問題を解明することを目的としている。また、3言語の比較を行うことで、構成性の普遍的性質をより明確にすることにも重点を置く。1年目は基礎研究期間と位置付け、上述3言語のデータの記述的研究を中心に行った。前出の3言語の表現に関しては多数の先行研究がある。文献に出てくるデータを包括的に収集及び整理し、さらに提示されている分析を検討する作業を行った。この際、先行研究におけるデータの整合性を見極め、データの欠落や矛盾が見られた点に関しては、対象言語の話者から聞き取り調査を行うことで、新しいデータを補った。以上の記述的研究を通して、前出の3言語の表現は、構成性に関して他言語とは異なる特徴を持っており、「構成性の普遍的性質を解明する」という本研究の目的を遂行する上で重要な役割を果たすことが明らかになった。以上の基礎研究の成果を、日本語のデータに焦点を当てて国内の2つの研究会で発表を行い、有意義な意見をもらうことができた。英語、ドイツ語に関しては、平成24年度9月の学会での招待講演において発表する予定でいる。以上、本年度は、2年目に行う予定である理論的考察の土台を築くことができたと言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目以降の理論的分析に必要なデータをおおむね収集することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
2年目にあたる24年度は、前年度に得られたデータに基づいて理論的考察を行うことに重点を置く。3言語の包括的比較研究を行うことで、言語の普遍性に関する新しい発見につなげる。3年間の研究期間の中間地点にあたる24年度夏期には、カナダのカルガリー大学及びブリティッシュコロンビア大学、ドイツの言語研究所を訪れて、1年目に収集したデータの確認、及び研究者との意見交換を行う予定でいる。
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次年度の研究費の使用計画 |
カナダのカルガリー大学及びブリティッシュコロンビア大学、ドイツの言語研究所を訪れる際の旅費として使用する予定である。
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