研究課題/領域番号 |
23720247
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
小町 将之 静岡大学, 大学教育センター, 講師 (70467364)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 生成文法 / 言語機能 / 疑問文 / wh疑問文 / 比較統語論 / 日本語 / ベトナム語 |
研究概要 |
人間の言語機能に関する研究において、「移動」という概念が本質的な役割を果たしているという示唆がこれまでに得られている。しかし、疑問詞の移動を取ってみると、英語の主節疑問文においては義務的であるが、他の構文や他の言語においては必ずしも義務的ではない。本研究では、言語間に見られるこの相違に着目して、疑問詞移動、あるいはそれが見られない場合の疑問詞元位置現象が生じる構造条件や派生をwh移動言語とされる英語と非wh移動言語と見られる他の言語とを比べることで、言語機能の本質に迫ろうとするものである。平成23年度は、wh元位置現象に関する先行研究の成果を整理するために、理論的研究とそれに関係した言語心理学的研究を概観し、各言語における資料を、文献だけでなく、英語、日本語の母語話者との面談調査等により収集した。また、国内で開催された複数のワークショップや学会等にも積極的に参加し、疑問文に関する理論的研究とその関連分野における研究動向に関する情報を得るとともに、他機関の研究者たちとの意見交換を行なった。平成24年度は、引き続き各言語(英語、日本語、ベトナム語)の母語話者との面談による文法性判断の調査を進めるとともに理論的検討を加え、それらの成果をまとめて学会等で発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学内における委員会等の業務において予測できなかった負担増が生じ、東日本震災後の研究費配分方針の保留等に対応しきれる余力をもつことができなかったため、一部の調査については、翌年度行うこととしたが、それ以外の調査は順調である。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、英語と日本語における母語話者との面接調査を行うとともに、ベトナム語母語話者との面接調査も行い、検討する言語の類型を増やし、理論的検討を加える。それらの成果をまとめ、学会発表等によって成果を公表する計画である。
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次年度の研究費の使用計画 |
学内における委員会等の業務において予測できなかった負担増が生じ、東日本震災後の研究費配分方針の保留等に対応しきれる余力をもつことができなかったため、一部の調査については、翌年度行うこととしたが、翌年度分の研究計画についても当初の予定通り進めることとし、本研究に対するエフォート率を高めて対応する。各言語に関する母語話者との面接調査、文献収集、および学会等に参加しての研究動向の調査等に使用する予定である。
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