英語の史的統語変化に関する生成理論的研究：パラメターモデルの精緻化を目指して

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23720251
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 英語学
• 研究機関: 島根大学
• 研究代表者: 縄田 裕幸 島根大学, 教育学部, 准教授 (00325036)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• キーワード: 極小主義 / 言語変化 / パラメター / 素性継承 / 英語史 / 空主語 / 他動詞虚辞構文 / that痕跡効果

研究概要

本研究では「強い極小主義のテーゼ」に基づき，英語の史的統語変化を駆動するメカニズムとして「素性継承パラメター」を提案した。これによれば，英語の解釈不可能な一致素性は話題主要部から定性主要部を経て最終的に時制主要部へと，機能範疇の階層関係を通時的に下方に推移したことになる。この仮説を通時的コーパスによって検証し，英語史における空主語の消失，主語位置の変化，他動詞虚辞構文の発達，that痕跡効果の出現を分析した。

研究成果

• [雑誌論文] Temporal Adverbs and the Downward Shift of Subjects in English : A Pilot Study (2014)
  • 著者名/発表者名: NAWATA, Hiroyuki
  • 雑誌名: 近代英語協会30周年記念論文集 (英宝社, 東京) ページ: 203-218
  • 査読あり
• [雑誌論文] Verbal Inflection, Feature Inheritance, and the Loss of Null Subjects in Middle English (2014)
  • 著者名/発表者名: NAWATA, Hiroyuki
  • 雑誌名: Interdisciplinary Information Sciences 巻: 20 ページ: 103-120
  • 査読あり
• [雑誌論文] CP カートグラフィーによるthat 痕跡効果の通時的考察 (2013)
  • 著者名/発表者名: 縄田 裕幸
  • 雑誌名: 言語変化―動機とメカニズム― (開拓社, 東京) ページ: 120-135
• [雑誌論文] 古英語・中英語における「空主語」の認可と消失―話題卓立言語から主語卓立言語へ― (2012)
  • 著者名/発表者名: 縄田 裕幸
  • 雑誌名: 島根大学教育学部紀要 巻: 46 ページ: 101-110
• [雑誌論文] 極小主義における通時的パラメター変化に関する覚書―「言語変化の論理的問題」の解消に向けて (2011)
  • 著者名/発表者名: 縄田 裕幸
  • 雑誌名: 島根大学教育学部紀要 巻: 45 ページ: 71-82
• [学会発表] 屈折形態変化の統語的影響―英語史における「空主語」の消失を例として― (2013)
  • 著者名/発表者名: 縄田 裕幸
  • 学会等名: 日本英文学会第85回大会シンポジウム「文法化と語彙化とカートグラフィー―統語論と形態論の境界をめぐって」
  • 発表場所: 東北大学
  • 年月日: 2013-05-25
• [学会発表] Feature Inheritance as a Reflex of Diachronic Change : Evidence from Transitive Expletive Constructions in the History of English (2011)
  • 著者名/発表者名: NAWATA, Hiroyuki
  • 学会等名: The 13th International Diachronic Generative Syntax Conference
  • 発表場所: University of Pennsylvania
  • 年月日: 2011-06-05
• [図書] 書評から学ぶ理論言語学の最先端(上)(下) (2013)
  • 著者名/発表者名: 畠山 雄二・寺田 寛・縄田 裕幸, 他
  • 総ページ数: xii+233pp.(それぞれpp.22-41を分担)
  • 出版者: 開拓社, 東京
• [図書] 統語論 (2013)
  • 著者名/発表者名: 田中 智之・縄田 裕幸, 他
  • 総ページ数: vii+145pp. (pp.29-55を分担)
  • 出版者: 朝倉書店, 東京