研究課題/領域番号 |
23720256
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
住吉 誠 摂南大学, 外国語学部, 准教授 (10441106)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | フレイジオロジー |
研究概要 |
研究初年度では、研究課題である英語の変則的な構文や表現についてフレイジオロジーの観点から研究を進め、not only that but... という成句が現代英語では接続副詞として機能していることをコーパスからのデータで実証した。その成果を2011年7月にドイツ、オスナルックで行われた 4th International Conference of the Linguistics of Contemporary English において発表し、各国の研究者から有益な示唆を得た。 本年度でデータを積極的に収集し、それに基づいて行った動詞、形容詞、名詞とそのパタンについての実証的な検証はひとつの形となり 2012年8月にスロベニアで行われるフレイジオロジーの学会である Europhras2012で発表が決定している。 また、動詞の変則的なパタンの通時的な変化を扱った論文として "The Complementation Patterns of "cannot bear": Past and Present" を Kyoto Working Papers in English and General Linguistics 1 (開拓社)で発表した。 かねてからの研究課題であった have until X to Vというフレイジオロジカルユニットについて本年度にさらに研究を推し進め、2012年中にポーランドの大学との共同論文集で公刊予定である。さらに、本年度獲得したフレイジオロジーの知見の一部を援用しながら、"Phraseology in dictionaries: from identification to description" の論考を完成させた。これは開拓社より論文集の一部として12年度中に刊行予定となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度目的としていたデータの収集や分析は着実に進んでおり、新たに検証が必要な英語の変則的な表現・構文も発見できている。また、データの収集と分析にもとづいたnot only that but... についての研究成果は2011年7月に海外の学会で発表した。この成果は、現在論文として刊行準備をすすめており、ポーランドとの大学との論文集に掲載されることが決定している。出版は2年後になる予定である。 本年度、従来から興味を持って進めていたhave until X to Vの変則的な構文についてまとめあげ、ポーランドの大学との論文集に収録される。これについては最終校正を終え、2012年夏までには公刊される。さらに、フレイジオロジーと辞書の記述に関する論考が2012年度中に日本の開拓社から出版される論文集に収録される。 研究初年度に行った語彙とそのパタンの研究成果も2012年8月に海外での発表が決まっている。別の研究も海外の学会発表に応募予定である。また別の学会への応募も視野に入れて研究を進めている。データの収集の環境も整い、問題ないと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度整備したデータ収集の環境を使って、さらなるデータの収集・分析に努め、興味深い言語現象の発掘に努める。また、フレイジオロジー関係の知見が陸続と出版されており、最新知見の吸収にも努める。研究成果は積極的に発表を行っていく予定である。2012年8月にスロベニアで行われるEurophras2012において口頭発表が決定しているが、そこでも各国の研究者と意見を交換し今後の研究の精緻化に努めたい。さらに別の発表の機会は貪欲に捕まえていくつもりである。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度ドイツでの発表のための旅費、図書費、データ収集のためのパソコンなどに研究費を使用したが、残金5000円ほどを次年度に繰り越す。これと2012年度分と合わせて、研究費は2012年8月にスロベニアで行われるEurophras2012で口頭発表が決定しており、その旅費に大部分を使用する。また図書費にも使用し、最新知見の収集に努める予定である。
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