研究課題/領域番号 |
23720259
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研究機関 | 岩手県立大学宮古短期大学部 |
研究代表者 |
神谷 厚徳 岩手県立大学宮古短期大学部, その他部局等, 准教授 (60511160)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | リズム / フット / テンポ / 等時性 |
研究概要 |
平成23年度は、音声実験および知覚実施を実施した。 音声実験は、強勢音節と弱音節が混在する英文を実験材料として、英語母語話者が、各強勢音節間を与えられたテンポに合わせて発話したものである。実験方法は、まず、英語母語話者に静かな個室で、300ms.にセットされたメトロノーム音を聞かせ、300ms.のテンポを記憶させる。その後すぐ、メトロノームを使わず、記憶した300ms.に各強勢音節を合わせて英文を発話してもらう。音声はマイクロフォンを通して直接パソコンに録音し、各強勢音節間の発話時間を測定した。同様の手法で、様々なテンポにおける発話時間を測定した。本実験では8種類のテンポを採用した。なお、実験結果は日本英語音声学会で発表済みであり、今後、論文として纏め上げる予定である。 知覚実験は、音連鎖(/teater/teater/teater/teater/teater/)を実験材料とし、中央/teater/の発話時間を英語母語話者と日本人英語学習者に聴き分けてもらうものである。この音連鎖の基本形は、最初の音節に強勢が付与された2音節からなる無意味語/teater/が連続し、各teaterの発話時間が515ms.(音声430ms., ポーズ85ms.)になるように設定されたものである。実験では、被験者がどの程度まで正確に発話時間を知覚できるのかを調査するために、音声編集ソフトを用いて、中央/teater/の発話時間のみを変化させた。音声編集では、ピッチを変えることなく発話を5%ごとに伸長もしくは圧縮を加えた。本実験では、無作為に配置された11種類の音連鎖それぞれ4回、計44回を、72名の日本人英語学習者と18名の英語母語話者に聴き分けてもらった。実験結果は、近日刊行される八木先生退職記念論文集(著書名:『21世紀の英語研究の諸相-言語と文化からの視点』)に掲載される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年度夏期に予定していたオーストラリアでのフィールドワークを実施することができなかったためである。実施できなかった理由は、震災の影響で、本学の平成23年度学年暦が大幅に変更となり、結果、フィールドワークの実施予定時期まで前期の講義がずれ込んでしまったためである。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に実施できなかったオーストラリアでのフィールドワークを補うため、今後は国内を中心に英語母語話者を被験者とした音声データを収集していく。さらに、可能であれば、今年度中に英語圏でのフィールドワークを実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度にオーストラリアでのフィールドワークを実施できなかったため、予定していた旅費、およびそのフィールドワークで必要なパソコン、音声ソフト等の購入費を繰り越すこととなった。次年度以降は、平成23年度の遅れを取り戻すと同時に、平成24年度以降の使用計画に沿って研究費を使用していく予定である。
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