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2012 年度 実施状況報告書

英語の最適テンポの究明とリスニング教材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23720259
研究機関岩手県立大学宮古短期大学部

研究代表者

神谷 厚徳  岩手県立大学宮古短期大学部, その他部局等, 准教授 (60511160)

キーワード等時性 / 音声実験 / 知覚実験 / フット / テンポ
研究概要

平成24年度は、昨年度実施した音声実験および知覚実験を分析・検証し、それぞれを研究論文として発表した。
音声実験では、英語母語話者の方がいかなるテンポにおいてもフット間を一定の時間で発話することが明らかとなった。つまりフット間を等時間隔に発話する能力に関しては、日本人英語学習者よりも英語母語話者の方が長けているのである。
また知覚実験では、強勢間隔の知覚能力に関して、日本人英語学習者よりも英語母語話者の方が長けていることが明らかになった。さらに、英語母語話者は発話時間が長いフットに関しては、ある程度知覚レベルで補償されるため、そのフットは前後のフットと等時間隔に知覚されるが、反対に発話時間が短くなった場合は、たとえそれが多少の発話時間差であったとしても、そのフット間が等時間隔に知覚される割合は低下することが判明した。この点を生成面に当てはめて考えると、英語を英語らしく響かせる(等時性のある英語発話に響かせる)ためには、長いフット(多音節からなる物理的発話時間が長くなるフット)を圧縮させて発話する以上に、短いフット(単音節のように物理的発話時間が短くなるフット)をしっかりと伸長させて発話することが重要ということである。
以上、2つの実験(音声実験、知覚実験)を通していえることは、知覚面において、英語母語話者はフット間を実際の発話時間以上に等時間隔に聞き取る傾向があり、産出面においては、フット間に等時性を与えようとして発話する傾向があるといえる。これらの実験の結果、知覚面、産出面の両面において英語母語話者の心理にある等時性を浮き彫りにできたといえる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成23年度夏期に予定していたオーストラリアでのフィールドワークが実施できなかったため(震災の影響で、本学の学年暦に大幅な変更があったため)、平成24年度は、国内で英語母語話者を対象とする音声データの収集に努めた。しかし、国内でのデータ収集は予想以上に困難であり、結果、「研究の目的」の達成度については、やや遅れている。

今後の研究の推進方策

平成24年度の遅れを取り戻すため、国内(可能であれば英語圏)でのフィールドワークを実施し、残りの必要な音声データを収集する。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度までに実施を予定していたデータ収集が完了していないので、平成25年度においてもフィールドワークを実施する予定である。昨年度繰り越すこととなった研究費をこれに充てる予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] An Acoustic Investigation of the Relationship between Syllable Structure and Foot Duration in English2013

    • 著者名/発表者名
      Atsunori Kamiya, Masaki Tsudzuki
    • 雑誌名

      愛知学院大学語研紀要

      巻: 38(1) ページ: 109-121

  • [雑誌論文] テンポの変化からみる英語母語話者と日本人英語学習者の等時性に関する比較研究2012

    • 著者名/発表者名
      神谷厚徳
    • 雑誌名

      英語音声学

      巻: 第17号 ページ: 147-156

  • [雑誌論文] 英語母語話者と日本人英語学習者の等時性に関する比較知覚研究2012

    • 著者名/発表者名
      神谷厚徳
    • 雑誌名

      21世紀英語研究の諸相 -言語と文化からの視点-(開拓社)

      巻: 1 ページ: 261-273

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公開日: 2014-07-24  

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