本研究では、日本人男性と結婚し、日本で暮らす外国人妻の、結婚や母国に対する認識について、ライフイベントとの関連を中心に調査を重ねてきた。調査協力者は、日本に中長期滞在する東アジア出身の女性2名で、それぞれ専業主婦と仕事をもつ母親である。 調査の結果、いずれの調査協力者も、国や文化差を意識せずに生活していると答えた。ただし、周囲との人間関係に自分の「居場所」を見い出せない時や、出産による休職と退職に伴う自己喪失感がある時などには、否定的な感情を伴って、母国と日本との差異を強く意識していた。また、子育て環境の違いは、ライフイベントの有無や環境の変化に関わらず、感じていた。
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