研究課題/領域番号 |
23720277
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研究機関 | 武蔵野美術大学 |
研究代表者 |
三代 純平 武蔵野美術大学, 造形学部, 講師 (80449347)
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キーワード | ライフストーリー / 元留学生 / 就職支援 / 日本語教育学 |
研究概要 |
本年度は、元留学生に対するライフストーリー・インタビューを中心に行った。インタビューを通じて、留学生が日本で就職活動を成功させる要因と課題が浮き彫りになってきた。また、転職・帰国という選択をする調査協力者が複数現れてきたことで、持続可能な就職支援のあり方という新しい課題を見いだすことができた。来年度に向け、これらの課題についての考察を論文にまとめる作業に入っている。 また、ライフストーリー研究をつづける過程で、日本語教育学としてライフストーリー研究を行う意味と方法を省察する必要性を感じるようになった。そこで、本年度は、日本語教育の領域において過去に行われたライフストーリー研究の先行研究レビューを行うとともに、自身の研究プロセスを振り返るという作業を行った。結果的に、調査協力者のインタビュー・データを考察する前の段階に、大きく時間を割くことになってしまったが、研究者自身の研究方法を発展させる意味でも、日本語教育学におけるライフストーリー研究方法を確立する上でも意義のあるプロセスであったと思われる。この作業の一部を、2013年5月に行われた日本語教育学会において発表した。さらに学会での議論を発展させ、雑誌『リテラシーズ』(くろしお出版)の14号においては、研究者自身の研究を公表するとともに、「言語教育におけるライフストーリー研究」というテーマで特集を組み、ライフストーリー研究について広く議論することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
方法論に関する研究に時間を割いたことで、公表した論文は研究方法に関するものになった。しかし、インタビューは順調に進んでおり、課題も明確になっている。2014年度には、3年間のインタビュー・データを元に、3本の論文を執筆予定である。
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今後の研究の推進方策 |
助成の最終年度にあたる2014年度は、3年間の調査をもとに、その考察を論文と言う形で公表していく作業を中心に行う。 同時に、調査研究を実践に反映させる作業として、留学生の就職支援を積極的に行っていき、その作業も、自らの考察に生かしていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
大学を関東圏に移動したため、関東圏への調査旅費が想定よりかからなかった。 次年度は、中国、近畿地方への調査旅費として繰り越し分を使用する。
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