本研究では、日本人英語学習者が句を形成する品詞連鎖を韻律的なパターンとして認知することができるかどうかを調査した。品詞連鎖を高頻度と低頻度の条件に分けて韻律パターンマッチング課題を行ったところ、上級と初級の英語学習者の間には品詞連鎖条件に関わらず正解率に差が見られなかった。英語母語話者との間には正解率に有意な差が見られ、品詞連鎖条件による違いも見られた。以上の結果から、品詞連鎖を韻律パターンとして認知できるかどうかはTOEICで測られるリスニング力とリーディング力に影響する要素ではないこと、言語習得において重要な要素とは言えないこと、母語話者との処理の仕方に違いがあること、が示唆された。
|