• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

第2言語能力構造の解明:先行研究の包括的統合

研究課題

研究課題/領域番号 23720283
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

印南 洋  豊橋技術科学大学, 総合教育院, 講師 (80508747)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード第2言語 / 能力構造 / メタ分析 / 統合
研究概要

研究1年目である平成23年度に行ったことは、(1) 先行研究の収集、(2) 先行研究の吟味、(3) 先行研究のコーディング、(4) 国内外の学会で途中結果の発表および情報収集である。 より具体的には、Norris & Ortega (2006) に基づき以下4点を行った。第1に、先行研究の収集を行った。できるだけ広範囲の先行研究を系統的に収集するため、10のデータベースを使用した。また、言語テスト、第1・第2言語習得、教育測定の分野の本、ジャーナルを読んだ。最後に、関連分野の研究者から、関連する先行研究についての情報を収集した。公刊・未公刊両方の先行研究を幅広く集めた。特に、公刊のみでなく未公刊の先行研究 (e.g.,紀要、学位論文、proceedings, 学会での発表資料) も有益な情報を含むことも多いので、念入りに集めた。第2に、収集した先行研究を、以下3点から吟味した。第1点目に、言語能力構造が実証的に検証されていること。第2点目に、テスト内容は、第一・第二言語 (L1, L2) に関わること。第3点目に、再分析に必要な情報が論文中に記載されていること。記載されていない場合は、著者に連絡を取り入手できること。第3に、上記3点を満たした先行研究を、(a) 受験者の母語、(b) 受験者の年齢 (例:高校生か大学生か)、(c) 対象技能 (例:リスニングかリーディングか) などの特徴ごとにコーディングした。第4に、LTRC (Language Testing Research Colloquium) 2011および日本言語テスト学会に参加し、情報収集を行った。特に、先行研究の収集漏れが無いか、コーディング過程の適切さについてのフィードバックを受けた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究1年目である平成23年度は、言語能力構造を実証的に調べた先行研究を広く収集し、吟味・コーディングした。理論的観点とともに、解釈で用いるコーディング可能な要因を絞り込んだ。いくつかの文献はコーディングがまだ終わっていないため、できるだけ早く終えたい。学会に参加し、文献の収集についての助言をいただくことができ、文献収集を適切かつ効率よく行うことができた。

今後の研究の推進方策

研究2年目である平成24年度は、コーディングした先行研究を要因ごとに再分析・統合する。どのような要因が言語能力およびテスト方法に関わるかを明らかにし、どのような知見がどの程度一般化できるかを提示する。より具体的には、(1) 先行研究の収集、(2) 先行研究の吟味、(3) 先行研究のコーディング、(4) 分析・考察、(5) 国内外の学会で発表を行う。 上記を達成するため、以下3点を行う。第1に、1年目からの収集・吟味・コーディングを完成させる。最新の文献の収集漏れがないか確認する。第2に、分析・考察を行う。以下3段階の方法 (e.g., Cooper & Hedges, 1994) を用いる。第1段階として、各先行研究ごとに記載されている相関係数表 (または分散・共分散表) を SPSS Base に入力し、理論的に想定できる全てのモデルを Amos による共分散構造分析を用い分析する。各モデルを複数の統計的指標 (e.g., CFI, RMSEA) を用い検討し、モデル間の比較を統計的指標 (e.g., ACI, CAIC) を用いて行い、最適なモデルを各研究ごとに1つ選ぶ。この過程を各研究で繰り返し、各研究ごとに最適なモデルが1つ得られる。第2段階として、結果を集計し、研究全体で最も多く採択された言語能力構造モデルを明らかにする。第3段階として、言語能力構造に関わる要因ごとに集計結果を分類することで、言語能力構造に関わる要因を特定する。第3に、全国英語教育学会、日本言語テスト学会、APA 年次大会の国内外の学会で、研究結果を発表する。特に、分析方法の適切さについてのフィードバックを受けたい。

次年度の研究費の使用計画

繰越がないため、該当しません。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A quantitative reanalysis of data on the structure of L1 and L2 language ability in multitrait-multimethod studies2012

    • 著者名/発表者名
      In’nami, Y., & Koizumi, R.
    • 雑誌名

      Asian EFL Journal

      巻: 14 ページ: 214-265

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Factor structure of the revised TOEIC test: A multiple-sample analysis2012

    • 著者名/発表者名
      In’nami, Y., & Koizumi, R.
    • 雑誌名

      Language Testing (SAGE Publications, UK & USA)

      巻: 29 ページ: 131-152

    • DOI

      doi: 10.1177/0265532211413444

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Structural equation modeling in language testing and learning research: A review2011

    • 著者名/発表者名
      In’nami, Y., & Koizumi, R.
    • 雑誌名

      Language Assessment Quarterly (Taylor & Francis/Routledge/Informaworld, UK & USA)

      巻: 8 ページ: 250-276

    • DOI

      DOI:10.1080/15434303.2011.582203

    • 査読あり
  • [学会発表] A multiple-sample analysis of factor structure of the revised TOEIC test2011

    • 著者名/発表者名
      In’nami, Y., & Koizumi, R.
    • 学会等名
      KELTA (Korea English Language Testing Association) 2011 International Conference
    • 発表場所
      Seoul, South Korea
    • 年月日
      August 20, 2011

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi