研究課題/領域番号 |
23720292
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
石井 英里子 東海大学, 高輪教養教育センター, 講師 (80580878)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 異文化教育 / 英語教育 / EFL / Intercultural Competence |
研究概要 |
初年度の平成23年度は、(1)実験実施校との打ち合わせ、(2)SSTモデルとその教授内容・教材開発、(3)実験計画の修正を行い、(4)本実験の導入を行い、(5)効果の検討を始め、(6)研究成果の発表を行った。まず、(1)実験実施校との打ち合わせでは、4月から7月にかけて、研究校との打ち合わせを数回にわたって行い、実験導入の日程、並びに、実験協力者を確保し、実験に使用する場所を決定した。次に、(2)SSTモデルとその教授内容・教材開発では、「異なる文化背景をもった人々と積極的にコミュニケーションしようとする態度」の育成を目指した態度の行動・感情面の学習を目的とする体験的手法(ソーシャル・スキル・トレーニング、SST)を段階的に導入する教育モデル(SSTモデル)の開発と、その教授内容ならびに教材を開発した。(3)実験計画の修正では、実際の実験導入を想定し、方法・手順を詳細に書きおこし、実験導入時に予想される問題点を検討した。また、できる限り実験協力校ならびに実験協力者の負担にならないように考慮し実験計画を立て、その都度、シミュレーションを行い、計画の修正を行った。そして、(4)本実験の導入は、8月の夏季休業中に宮崎県の実験協力校(公立高等学校)にて行った。(5)効果の検討は、SPSSを用いて統計的な結果分析を行った。現在も結果分析の途中である。(6)研究成果の発表では、(5)効果の検討でこれまでに得られた結果をまとめ、The 2012 TESOL International Convention(於米国フィラデルフィア)において、題目"Developing learners' intercultural competence in language classrooms"として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度、本実験導入前に行う予定であった予備実験を行わず、代わりに実験計画のシミュレーションと修正を丁寧に繰り返した。その理由は、実験協力校ならびに実験協力者の負担をできるだけ軽減するためである。予備実験を回避する代わりに、慎重に実験計画を組んだ。さらに、遅延テストを導入予定であったが、既に、以前の研究(Ishii, 2009)において遅延テストを使用し、学習効果の維持を検討している理由から、今回は遅延テストも回避し、実験直後の学習効果のみを検討することとした。この理由もまた、実験協力者の時間的負担を軽減するためである。
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今後の研究の推進方策 |
現在、心理尺度で測定できるデータはすべて入力し、分析が完了した。今後は、ビデオで録画した被験者の行動学習のデータを詳細に検討する必要がある。また、この録画した行動学習のデータは、3名の評価者に評価を依頼する予定である。これらの評価者への評価方法の教示や、評価に使用するルーブリックの作成を今後行う予定である。また、すべてのデータの分析結果の処理が完了次第、研究結果をまとめ、論文として発表する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
データ分析のための統計ソフトウェアの購入、結果報告のため実験協力校への出張費、学会発表出張費、データ分析協力者への謝金、書籍・文献購入費、印刷用のトナー並びにコピー用紙
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