本研究は、広島における平和学習活動において、被爆者自身が英語で行う被爆証言を聴講した米国人学生が、被爆証言をどのように理解し、帰国後に被爆証言の内容をどのように友人に伝えているのか、米国人学生を追跡してアンケート調査と伝達の会話の調査を行い、被爆証言の理解と伝達の実態を探ったものである。まず、アンケート調査では、質問に対して端的な回答が得られ、証言内容の全体的な理解が確認された。一方、伝達の会話の調査では、伝達の会話の参加者の関心や原爆などに関する情報量の違いにより、言及する話題が会話によって異なり、話題中の情報も減少するだけでなく、詳細化・多様化する特徴が明らかとなった。
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