研究課題/領域番号 |
23720302
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
筒井 英一郎 広島国際大学, 薬学部, 講師 (20386733)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | e-learning / 英語学習 |
研究概要 |
本研究では、学習者に対して、英語学習には様々な側面と方法があることを認識させ、それらを実践的に訓練する動的な学習環境を構築することを目指す。また、学習者には明確で具体的な学習目標と学習プランを与え、明確な目標に向かって学習するよう促す。つまり、学習者個人のレベルに応じて、具体的で客観的な目標を設定し、学習者が常に達成感を得ながら、継続して学習・訓練の機会を与えるような自主学習環境を作る。 学習者に技能ごとのレベルにあったコース選択をさせるため、まず、レベルを査定し、具体的な数値目標を与え、その目標に向かって訓練できる自主学習環境を作ることが三年間の計画であるが、初年度は、ディクテーションおよび多読・速読に主に焦点をあてた。 コンピューター教室では主に、Moodleを用いて、普通教室では、携帯電話やマークシートを用いて、客観的なデータと主観的なデータを集めた。まず、学習者の客観的なレベルは習熟度テストから、学習者の主観的なレベルは、CEFRを参考にして、各レベルを算出した。第二に、タスクの客観的な困難度は、正答率、Readability、語彙レベルを参考にし、タスクの主観的な困難度も、タスク終了後に、学生から集めた。 一年間に得られた多くのデータを総合的に分析することにより、学習者の各技能のレベルを査定することができ、また、次のレベルに進むために、どの程度の長さ・語彙レベルの文を、どの程度の速度で理解しなければならないかなど、より具体的な指標や方向性を、学習者に示すことができる。次年度は、速読・多読は継続しながらも、シャドーイングなどのスピーキングの観点に焦点をあてる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
若干、初年度の調査対象人数が、20%減となったが、それ以外は順調である。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の研究調査の結果を踏まえて、教材数を増やし、学習者が自分のレベルに合う多読環境を構築する。適切な難易度のリーディングで、実行可能なWPMの速読の練習ができるコースも追加する。前年度と同じ手法で、レベル・困難度などの確認的な分析を行う。学習者の進捗状況(学習時間等)を確認するのと並行して、学習者に使用感・難易度の意見を聞き、さらに精度の高く、継続性の高い学習環境になるよう努める。 前年度と同様、レベル査定尺度を作り調査する。本研究に参加する120名の学習者のCEFRレベルの抽出を行い、(1)シャドーイング文(音声)の困難度(WPM、語彙レベル)と、(2)学習者の主観的困難度を算出し、(1)と(2)の関連を調べる。各教材のCEFRレベルを抽出するとともに、各レベルの学習者は、どの程度の速さ(WPM)で、1文あたり何語、何文が適度であるかを判断する。 学生の様子を観察したり、音声データを分析しながら、タスクのレベル調整をし、翌年に開始予定の「シャドーイングコース」のコンテンツを増やし、(2)CEFRレベルで、具体的に数値をだして、どの程度の題材でどのようなシャドーイングができる必要があるか検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
ほぼ研究計画通りの予定である。分析用の計算機を購入し、多読環境を充実させるために、Graded Readersを買い足す。音声データ収集のために、録音機材を揃える。また、情報収集や研究発表のための出張費に充てる。
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