研究課題/領域番号 |
23720302
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
筒井 英一郎 広島国際大学, 薬学部, 講師 (20386733)
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キーワード | e-learning / 英語学習 |
研究概要 |
大学生の英語学習者の中には、語彙力・文法力の割に、実践的なレベルが低い学生も多い。英語学習における正確さ・語彙力・文法力も重要ではあるものの、方略使用・流暢さ・速さを意識した学習トレーニングが必要ではないかと考え、本研究は始動した。実践レベルを向上させるといっても、その取っ掛かりがあまりないのが現状であるため、本研究で構築するシステムでは、まず自分のレベルを査定させ、具体的数値目標を与え、その目標を達成するために訓練させることを目的とする。 初年度、ディクテーションと多読・速読のコースを作り、本年度公開した。その結果、ディクテーションに関しては、全24のレッスンプランに対して90%以上の参加状況であったが、多読・速読はさほど、人気がなかった。そのため、レベルを細分化し、500単語で読み切れる教材を増やし、初級レベルの充実に努めた。 本年度は、スピーキングとシャドーイングのコースを作ることを目的に、1分間自己紹介スピーチを91名から、1分間のプレゼンスピーチデータを55名から、シャドーイングデータも89名から、音声データを収集し、分析を行った。自己紹介に関しては、Microsoft Wordで学習者自身が計算可能となる数値指標を、Exametrika(Shojima, 2008)に入れ込み、5つのレベルを抽出させた。そのレベルと、学生の習熟度テストとのスピアマンの順位相関係数は.72で、ある程度の信頼性が得られた。これにより、各レベル毎に、例えば、「30秒間で何単語、60秒で何単語。言えるように練習しなさい。」と目標設定ができるようになったため、一分間の自己紹介練習コースを完成させることができた。また、自己紹介だけでなく、①将来の夢、②日本人の特徴、③TVの長所短所などのトピックでの訓練ができるコースも作成中である。シャドーイングコースも、同様に、近日中に完成させる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
やや、システム作りで遅れが生じているが、臨時要員とその謝金を十分確保しているので、問題はない。目標とする調査人数も確保できており、データ分析もほぼ完了している。
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今後の研究の推進方策 |
ライティングのFluencyを高めるコースを作成するため、50名の大学生のライティングデータを収集し分析する。その分析を9月までに終わらせ、10月から使用開始できるよう努める。 また2種類の報告書を作成する。一つ目は、本システムを使用する英語学習者向けの使い方マニュアルである。二つ目は、英語教育実践者もしくは研究者をターゲットにした、本プロジェクトの研究成果を報告するものである。2014年度1月末に入稿し、同年3月には出版したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
まず、システム作り・改変のため、臨時要員の謝金に重点を置く。国内・国外で一回ずつ成果報告のための出張費に充てる。また、本プロジェクトの成果報告として、本環境システムの①マニュアル本(学生向け)②研究報告(研究者向け)の二種類を出版する予定である。
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