研究課題/領域番号 |
23720314
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 大介 東北大学, 学術資源研究公開センター, 協力研究員 (70400439)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 近現代史 / 地域振興史 |
研究概要 |
当該年度においては、資料の収集を中心に研究活動を実施した。宮城県図書館に所蔵されている『河北新報』の記事をマイクロフィルムで確認したのちにプリントしたほか、山形県立図書館で同じようにプリントした『山形新聞』の新聞記事などを、雇用した若手研究者の手も借りてエクセルに入力し、新聞記事のデータベース作成をおこなった。また、各図書館のほか、宮城県公文書館のような歴史資料の保存や管理をおこなっている機関に足を運び、資料をデジタルカメラで撮影した。撮影した写真データは、パソコンにデータ移動したうえで、トリミングやリネーム(ファイル名の変更)などの処理を加えた。それらのデータを外付けハードディスクなどに移動させて管理するようにしたほか、必要に応じてDVD-Rやブルーレイディスクに焼き付けて紛失や消失の防止に備える、などといったデータ管理をおこなった。さらに、研究した成果を、論考などといったかたちで公表するために、原稿の執筆や編集作業をおこなった。とくに、東北大学出版会が募集していた「第8回東北大学出版会若手研究者出版助成」事業に応募した結果、無事に採択されたので、提出原稿に各種の編集作業を加える必要が生じた。具体的には、原稿中で使用した文献や史料について、東北大学附属図書館や宮城県図書館、山形県立図書館などの資料で確認したほか、アジア歴史資料センターのようなインターネットを活用して、検証などの作業をおこなった。そのほか、2011年3月に発生した東日本大震災との関わりから、1933年3月の昭和三陸大津波に関する研究を本格的に着手することとし、史料や文献を用いて基本的な確認作業を進めたほか、勤務先の1つである東北大学の学術資源研究公開センター史料館で所蔵する東北帝国大学に関わる史料についても調査をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究の達成度については、残念ながら遅れていると回答しなければならない。理由としては、2011年3月に発生した東日本大震災のために作業が大幅に遅滞したことが挙げられる。まず、地震被害によって自宅が居住不可能となったために転居しなければならなくなるなど、自身の生活において大きな影響を受けた。また、勤務先の東北大学史料館にも大きな被害があり、研究活動において大きな遅れが生じることとなった。加えて、2011年4月からの勤務地である岩沼市は、大きな被害のあった被災地であったこともあり、本務である市史編纂事業のほか、避難所の運営などにも従事しなければならなかったので、研究活動は大きく制約されることとなった。さらに、震災によって東北地方各地の図書館や史料所蔵機関の多くも活動を停止したため、研究計画に大幅な見直しが求められることとなった。予定していた史料などの調査のほとんどが実施できなくなっただけでなく、前述のように自宅にも大きな被害があったために、購入する予定であった書籍の選定も非常に困難となり(自宅の書棚が倒壊したことなどによる)、次年度以降の課題としなければならなくなった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、まずは2011年3月に発生した東日本大震災によって受けた、公私にわたるダメージを回復させながら、本来の研究計画に向けて軌道修正していくことを優先する。具体的には、勤務との日程調整をおこない、資料調査や研究報告をおこなうための出張や旅行を積極的に実施する。また、昨年度に引き続き、出版助成事業などを活用して、研究成果を公表することを重視していきたい。また、東日本大震災との関わりから着目することとした1933年の昭和三陸大津波に関する研究についても、地域史だけでなく、大学史や軍事史というような領域からアプローチを進めていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
震災のために不十分な活動となったため、次年度に研究費が持ち越されることとなった。次年度においては、本来の使用経費を十分に活用するほか、限られた時間で作業するよう対応を考える必要がある。そこで、移動中のデータ通信などを考慮した、ノートパソコンなどといった物品購入を検討することで、より効率的に研究活動を進める予定である。
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