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2012 年度 実施状況報告書

大屋士由著「伊多加考」の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23720317
研究機関千葉大学

研究代表者

横山 陽子  千葉大学, 人文社会科学研究科(系), 特別研究員 (90586504)

キーワード日本近世史 / 奥羽 / 被差別民 / イタカ / 西宮社人 / 地方知識人 / 被差別民認識
研究概要

本研究は近世奥羽の被差別民研究として、大屋士由著「伊多加考」について分析を行うものである。今年度は下記の3点について作業を進めることを計画した。
(1)田中文庫史料の未整理書簡・史料の撮影・整理・解読:昨年度あまり進めることができなかった田中文庫の未整理書簡・史料の整理作業を行った。今年度は所蔵者のご厚意により、史料を借用することができ、所属機関での撮影及び目録作成作業が可能となった。また今年度は調査協力者を得ることができ、撮影及び目録作成作業を完了することができた。その結果、田中家を基点とした士由をはじめとする地方俳人・知識人の交流状況が明かとなり、俳人達のダイナミックな交流状況を知ることができた。翻刻作業については大屋士由からの書簡を中心に行っており、個人史料を残さず、謎の多い士由の行動を浮き彫りにしつつある。
(2)大屋士由著「伊多加考」引用文献に関する調査・収集:現地調査を行った結果、会津・仙道地域に存在していたイタカについての史料を入手することができたが、士由に情報提供した在村知識人や「伊多加考」に所収されている西宮社人(イタカ)と吉田家神職との争論史料までは十分追うことができなかった。摂津国西宮本社の江戸役用日記については東京大学史料編纂所に所蔵されている紙焼きによる調査を行い、陸奥国の西宮社人の動向を把握しつつある。
(3)分析作業:大屋士由の年譜を作成された氣多恵子氏にお会いし、士由の出身地についての現地情報を教えて頂き、また把握していなかった史料についてもご提供頂いた。今年度の課題とした士由の交友関係については(1)の作業とあわせ、士由の活動を判明しつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度は(1)田中文庫史料の未整理書簡・史料の撮影・整理・解読は史料の借用及び調査協力者を得たことにより当初の目標を達成することができた。しかしながら、(1)を重点的に行った結果、(2)大屋士由著「伊多加考」引用文献に関する調査・収集及び(3)分析作業については、時間を十分にとることができず、特に(2)は当初の予定ほど進めることができなかった。

今後の研究の推進方策

整理が終わった田中文庫書簡類を中心に、大屋士由をはじめとする会津・仙道地域の俳人らの交友関係を明らかにする。
「伊多加考」及び収集資料から、19世紀段階におけるイタカの存在形態および地方知識人のイタカ認識を分析し、士由の考証学と被差別民認識について分析する。

次年度の研究費の使用計画

作業が遅れているテキスト分析のための引用文献及び史料調査及び大屋士由関係の書簡類の翻刻作業を行い、分析作業を進める。
本研究推進のために行った調査成果についても目録と史料集として刊行できるよう、作業を進める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 奥羽南域内陸部のイタカと近世社会―大屋士由著「伊多加考」を素材に―

    • 著者名/発表者名
      横山陽子
    • 学会等名
      千葉歴史学会民俗部会
    • 発表場所
      千葉大学

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公開日: 2014-07-24  

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