研究最終年度となる平成25年度は、研究対象である「琉球渡海朱印状」原本一通を所蔵している鹿児島県霧島市の国分郷土館に赴き、原本調査を行いデジタルカメラによる撮影を行った。これにより、3年間の研究期間内に原本の現存が明らかになっている「琉球渡海朱印状」の全てについて、現地での調査を終えることができた。 これとは別に、鹿児島県立図書館をはじめとする鹿児島市内の史料所蔵機関や、沖縄県那覇市沖縄県立図書館などに赴き、島津氏及び戦国期の南九州~琉球に関する史料の調査を行った。 また昨年度より継続中の作業として、「琉球渡海朱印状」の古文書的特質を追及するために、中心的な発給主体となった島津義久が発給した他の文書についてもデータを網羅的に収集している。25年度はこの収集作業が一定の段階に到達したこともあり、平成25年7月15日に、鹿児島市黎明館にて開催された鹿児島地域史研究会において、「島津義久文書の基礎的研究」と題して報告を行った。当日は五味克夫氏をはじめとする参加者各位からご教示をいただくことができ、当該研究を進展させるのに大いに役立った。
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