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2013 年度 実績報告書

近代日本の沖縄と台湾における「旧慣」調査の比較研究―田代安定関係資料に基づいて

研究課題

研究課題/領域番号 23720323
研究機関琉球大学

研究代表者

大浜 郁子  琉球大学, 法文学部, 准教授 (60459964)

キーワード田代安定 / 田代安定関係資料(=「田代文庫」) / 「旧慣」調査 / 沖縄関係資料 / 近代台湾 / 近代沖縄 / 近代日本 / 翻刻
研究概要

最終年度にあたる今年度は、台湾大学図書館所蔵「田代文庫」所収「沖縄関係資料」の目録完全版の作成を最優先して完成させ、「沖縄関係資料」の総数を特定した。また、「沖縄関係資料」の中でも、特に、沖縄・八重山諸島に関する「旧慣」調査の翻刻に基づく研究成果は、国内外の学会等で研究報告を行い、研究論文として公刊した。さらに、国内外での補充調査では、田代や沖縄と台湾の「旧慣」調査に関する新史料を見出すことができた。これらの新史料については、将来的に、国内外に分散して所蔵されている田代安定関係資料の総合目録の完成を目指して現在構築中の電子データへの追加作業に着手した。
本研究の研究成果としては、まず、1880年代から1920年代にかけて、沖縄と台湾において「旧慣」調査を行った官僚である田代安定の関係資料「田代文庫」所収の「沖縄関係資料」の目録完全版を完成させ、総数を確定したことがあげられる。これらの「沖縄関係資料」は沖縄には現存せず、沖縄にとっては貴重な一次史料であり、目録完全版を完成させ総数を確定したことは意義がある。次に、田代自身が沖縄・八重山諸島を重点的に調査していたことから、「沖縄関係資料」中の八重山諸島に関する「旧慣」調査の翻刻を優先し、考察を行った結果、既存の研究では台湾などの他の植民地とは異なり、地理的条件から移植民には適さないとみなされてきた沖縄においても、田代が八重山で「植民」政策や炭坑開発などを企図して明治政府や高官らへ建議していたことを明らかにしたことである。さらに、国内外に現存する田代関係資料や「沖縄関係資料」に基づき、沖縄での田代の「旧慣」調査が、後の台湾における植民地統治政策の形成にも結びついている可能性を部分的に把握できたことがあげられる。なお、本研究期間内には修復のために閲覧が叶わなかった資料については今後も翻刻を継続して全文翻刻し、研究の進展をはかりたい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 「田代安定にみる恒春と八重山―「牡丹社事件」と熱帯植物殖育場設置の関連を中心に―」2013

    • 著者名/発表者名
      大浜郁子
    • 雑誌名

      『民族學界』

      巻: 31期 ページ: 219‐246頁

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「田代安定はなぜ沖縄から台湾へ異動したのか―田代による「旧慣」調査の前提作業として―」2013

    • 著者名/発表者名
      大浜郁子
    • 雑誌名

      『第七屆臺灣總督府档案學術研討會論文集』

      巻: 7巻 ページ: 449‐462頁

    • 査読あり
  • [学会発表] 「近代日本による沖縄と台湾における「旧慣」調査の比較―田代安定の調査に基づいて―」2013

    • 著者名/発表者名
      大浜郁子
    • 学会等名
      沖縄・八重山文化研究会
    • 発表場所
      沖縄県立芸術大学(沖縄県)
    • 年月日
      20131215-20131215
  • [学会発表] 「近代日本による沖縄と台湾への「旧慣」調査の比較―田代安定の調査を中心に―」2013

    • 著者名/発表者名
      大浜郁子
    • 学会等名
      ポーランド日本学会
    • 発表場所
      ポーランド・クラクフ
    • 年月日
      20131116-20131116
  • [学会発表] 「近代日本による植民地統治政策の形成と「旧慣」調査―田代安定「八重山群島殖民ノ目途」を中心として―」2013

    • 著者名/発表者名
      大浜郁子
    • 学会等名
      日本植民地研究会
    • 発表場所
      立教大学(東京都)
    • 年月日
      20130707-20130707

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公開日: 2015-05-28  

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