研究概要 |
本研究は,近代日本の沖縄と台湾における「旧慣」調査の実態を田代安定の一次史料に基づいて実証的に明らかにするとともに,「旧慣」調査が,日本の(「内国(国内)」・外地を含む)植民地統治政策の形成にも結びついていることを明らかにした。主な成果は,(1)「田代文庫」所収「沖縄関係資料」の完全版目録を完成させ,総数を確定したこと,(2)国内外に現存する関係資料を渉猟して新史料を発掘し,総合目録の作成に備えたこと,(3)田代の沖縄と台湾における「旧慣」調査の比較に関する論文を国内外で公刊したことである。本研究は,「旧慣」調査を軸に,沖縄,台湾,朝鮮,満洲などを横断する研究の基盤形成としての意義がある。
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