1、江藤新平の言動や思想の一貫性と変化を考察するためには、江藤自身の史料を検討する事が第一義である。そのため、本研究課題において、原史料の大部分を所蔵している佐賀県立図書館への出張調査は欠かせない。そのため、以下のような出張を行なった。 (1)松浦武四郎記念館所における「松浦武四郎関係文書」の史料調査を行ない、西尾市岩瀬文庫が所蔵する史料の調査を行なった。関係史料と関連論文を新たに見出したので、それらを複写した。(2)「佐賀県立図書館が所蔵する「江藤家文書」のうち、マイクロでは判読できない箇所を確認するため原本の調査を行なった。また佐賀県立佐賀城本丸歴史館が所蔵する「江藤新平関係文書」の原本も再調査を行なった。(3)鹿児島県歴史資料センター黎明館所蔵「大久保利通関係史料」などの史料調査を行なった。その後、鹿児島市立図書館と熊本県立図書館において、郷土史料の調査を行なった。ここで関連論文を見出したので、それらを複写した。 2、江藤の言動が「岩倉、大久保、木戸ら維新政府の首脳からどのように評価されていたのか」を明らかにするためには、その周辺人物の史料を検討しなければならない。すでに翻刻活字化されている史料以外のものも検討する必要があるため、諸研究機関(国立国会 図書館憲政資料室や国立公文書館、東京大学大学院法学政治学研究科附属近代日本法政史料センターなど)に赴き史料調査を行なった。その上で、必要なものは順次複写した。 3、これまで収集した関係史料の翻刻作業を進め、内容分析を行なった。これと並行して、明らかになった事柄を、作成中の「江藤新平関係年譜」に追加していった。
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