本研究の目的は、江藤新平の具体的な言動を検証し、維新政府の立法、司法、行政の実態を解明することである。本研究では、検証する時期を明治2年11月から 4年7月に限定し、江藤が明治元年以降に維新政府の首脳からどのように評価されていたのか、そして彼の言動がどのように変化し、また変化しなかったのかを見出していくこととした。検証を行なった結果、現在確認されている関係文書中に、従来知られていなかった官制改革に関する書類の草稿の一部が存在すること、さらに江藤と維新政府首脳との具体的な政治的関係が明らかとなった。
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