研究課題/領域番号 |
23720362
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
秋山 晋吾 一橋大学, 社会(科)学研究科, 准教授 (50466421)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交流(ハンガリー) / ハンガリー / ペーチ / ギリシア / 商人 |
研究概要 |
2011年度は、ハンガリーおよびギリシアにおける現地調査、研究会での研究報告をおこなった。現地調査は2度にわたって行った。2011年7月19日から7月29日まで、ハンガリー・ブダペシュト市文書館とハンガリー国立文書館において、文書の調査・デジタル撮影を行った。主な収集史料は、ブダペシュト市文書館「ペシュト市参事会文書雑文書」のなかの18-19世紀ギリシア商人訴訟記録、ギリシア教会建設問題関連記録、国立文書館「ハンガリー総督府文書宗教部門文書」のなかのギリシア教会問題史料、ギリシア人共同体関係文書である。また、2012年3月5日から3月12日まで、ギリシア・アテネのギリシア国立図書館にて、ギリシア語・フランス語・イタリア語を中心とするギリシア商人・バルカン交易関連の文献資料の調査を行った。研究報告は、2011年11月5-6日に名古屋市立大学でハンガリー・ペーチ大学から研究者を招聘して開催された、日本・ハンガリー二国間共同研究「東中欧・バルカン地域における職能集団をめぐるインターカルチュラル圏の形成と変容」研究会において、報告「18-19世紀転換期におけるペシュトのギリシア商人」(ハンガリー語による)を行った。また、本研究会ではペーチ大学助教キタニチ・マーテー氏の報告「ハンガリーのギリシア商人」も行われ、充実した意見交換を行うことができた。2011年度、デジタル撮影にて収集した文書館史料は約11,500枚、文献資料は約500点である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2度にわたる現地調査によって研究推進に必要な文書館史料、文献資料を順調に収集している。また、ペーチ大学の研究者との意見交換もスムーズかつコンスタントに行っており、研究情報の交換だけでなく、現地での研究サポートが必要となった際の窓口としても期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
2012年度は、すでに収集した文書館史料および文献資料の整理と分析を中心に研究をすすめる。ハンガリーの地方文書館に所蔵されているギリシア商人関係文書など、さらに現地での史料収集を要するものもあるため調査出張も行う。また、史料整理の成果を本年度中に発表できるよう努める。現在準備中の原稿は、1)18世紀トランシルヴァニアの南スラヴ移民に関する史料紹介2)ハンガリー総督府文書中のギリシア商人調査の数量分析論文である。
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次年度の研究費の使用計画 |
2012年度以降も引き続き、関連資料の収集および現地(ハンガリーおよび可能であればギリシア)への調査旅費を中心に研究費を使用する。ハンガリーでは、ブダペシュト市文書館に所蔵されている18世紀のペシュト・ギリシア人共同体の文書群、ニーレジハーザのサトマール=サボルチュ=ベレグ県文書館所蔵のナジカーロー・ギリシア商会の文書群の調査・複写を予定している。
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