初年度は研究目的とした元奴隷の学校であるペン解放民学校と公教育の関わりと、この学校を政治活動の母体とした黒人議員ロバート・スモールズによる教育政策の検証を行い、その成果を英語論文として『19世紀学研究』誌上において発表した。最終年度(2年目)は、研究テーマをさらに深く掘り下げて、複数の研究会で報告を行い、研究ノートを『国際地域研究論集』に掲載した。ペン学校を通して、黒人(解放奴隷)教育とより広い文脈における「政治」との交錯について考察した結果、米国内部だけではなく、他国(特に南アフリカなど)における教育との接点が明らかとなり、今後の研究課題(米国の帝国主義における黒人教育の「移植」について)として取り組んでいく。
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