研究課題/領域番号 |
23720372
|
研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
大澤 広晃 国際基督教大学, アジア文化研究所, 研究員 (90598781)
|
キーワード | イギリス / 先住民保護の精神 / 人道主義 / 帝国主義 / 植民地主義 / 南アフリカ |
研究概要 |
2012年度は、1)海外における史料調査、2)研究テーマに関連する文献の収集と読解、3)口頭報告および論文の形での研究成果の報告を行った。 1)海外での史料調査:まず、2012年7月にイギリスで関連資料の調査を行った。具体的には、国立公文書館で英国植民地省文書を、また、オクスフォード大学ローズハウス図書館で、反奴隷制文書の調査を行った。これらの文書群は、先住民保護の精神を解明するうえで最重要の史料であり、有意義な成果を上げることができた。 また、2013年3月には南アフリカで史料調査を実施した。ウィットウォーターズランド大学で主に反アパルトヘイト運動関連文書を、ローズ大学図書館でメソディスト教会文書を調査した。これらは、植民地において先住民保護の精神がいかに唱道・実践されていたのかを示す重要史料であり、多くの成果を上げることができた。 2) 関連文献の収集と読解:先住民保護の精神に関連する研究のこれまでの展開と現状を批判的に把握するために、関連文献の収集と読解を進めた。この作業は、本研究課題の意義を確認し、独自の研究視角を構築するために不可欠である。その成果は、後述する口頭報告で発表し、関連する研究者たちから有益な助言やコメントを得ることができた。 3) 研究成果の報告:研究成果を公表し、関連分野の研究者たちからさまざま意見を徴することは、研究の方向性と意義を確認するうえで不可欠である。2012年度は、まず、これまでの研究成果の一部をまとめ論文を執筆した。論文は、『史学雑誌』に掲載された。また、上記2)の成果を、2013年1月に東北学院大学で行われた研究会で報告した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書に記入した研究計画に照らして、研究はおおむね順調に進展していると考えている。計画の通りに調査を行い、具体的な成果も発表している。
|
今後の研究の推進方策 |
今後も、申請書に記載した研究計画に沿って研究を遂行していく。引き続き、二次文献の読解による研究動向の批判的把握を行う。また、イギリスと南アフリカで追加の史資料調査を実施する。以上に基づき、これまでの研究成果を、日英両語で論文および口頭報告のかたちで公表していく。また、それらを最終的に書籍にすべく、研究成果の総合をはかっていく。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、関連文献、備品の購入、海外での追加史料調査に経費を使用する。今年度は当初予定よりも経費支出を抑え、次年度に繰り越したが、それは、海外での追加史料調査に経費を充当したいと考えたからである。
|