研究実績の概要 |
2014年度は、1)研究に関連する史資料の読解と調査、2)論文の刊行による研究成果の公表を行った。 1)研究に関連する史資料の読解と調査 史資料の読解と調査に関しては、以下の作業を行った。第1に、近年、研究課題に関連する著書や論文の公表が増大してきている状況を踏まえ、最新の知見と研究動向をつかむべく、関連文献の網羅的な読解につとめた。第2に、夏期及び冬季休暇中にイギリスに赴き、現地の文書館で史料調査を行った。現地ではとくに、オクスフォード大学図書館で原住民保護協会関連文書を、国立公文書館で植民地省関連文書を調査した。 2)論文の刊行による研究成果の公表 2014年度は、これまでの研究で得られた知見を論文としてまとめ、それを刊行することにとくに力を注いだ。具体的には、次の3本の論文を執筆した。1)「長い19世紀におけるイギリス帝国と「人道主義」:研究の動向と展望」(『アカデミア 人文自然科学編』第9号):本論文では、本研究課題に関連する近年の論考を紹介したうえで、研究をさらに深化させていくための提言を行った。これにより、本研究課題の終了後に研究をさらに発展させていくための道筋を示した。 2)'Wesleyan Methodists, Humanitarianism and the Zulu Question, 1878-87'(Journal of Imperial and Commonwealth Historyに掲載予定、オンライン版はすでに公刊済):本論文は、これまでの研究成果と2014年度の海外史料調査の成果を踏まえて執筆した英語論文である。19世紀後半期を対象としている。 3)「「人道主義」と南アフリカ戦争」(『歴史学研究』第932号に掲載予定):本論文は、2014年度に行った海外史料調査の成果をまとめたものである。19~20世紀転換期を対象としている。
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